もらいものガール

蜂蜜ひみつ

第1話 タダ券① 出だしは軽く、ありそなネタで

 私は幼い頃から不思議と、人からものをよくもらっているような気がします。

 来客が多かった家庭環境に育ち、現在接客業の職種に付いていることもありますが。


 見知らぬ人から突然もらったりすることさえあります。


 本エッセイでは、知らない人や顔見知り程度の人にもらったものを中心に、時間軸はランダムで思い出深いエピソードを書いてまいります。

 皆さまも似たパターンのいただきものがあれば、コメント欄にて、お気軽に思い出をお聞かせくださいませ。





 中学生のとき映画を友人と観に行き、頭上の看板を眺め映画館合ってるね、よし切符を買おう、の段階で、中年ご夫婦に声をかけられました。


「株主優待が余っていて今日までなの。この映画館のもの全部観れるわ。良かったらどうぞ?」


 驚いたものの、元気にお礼のご挨拶をして、ありがたく頂戴しました。

 お返しのできないお相手へ唯一返せるものは、嬉しいという素直な気持ちと、感謝の言葉ですからね!


 チケットを一枚買うだけで済んだので、友人と割り勘し、浮いたお金でポップコーンを食べることもできました。



 余談ですが、私は映画を観るのが好きだったので、試写会やタダ券を入手した友人に、誘ってもらうことも多かったです。

「題名は秘密。とにかくおいでよ」と呼ばれて、のこのこ行ったらめちゃくちゃグロいホラー、ってこともありました。

 悩んだ末にせっかくだからと根性決めて観るも大後悔、それも今やいい思い出です。

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