第2話:仮の姿

 さて、我が指導する事となった者たちは女神学園の卒業者たちらしい。


 上位神である我には性別などない。

 故に男でも女でも自由になれる。

 が、ここは我の作った世界の女神の姿(エルハイミR‐おっさんが異世界転生して美少女に!?‐https://kakuyomu.jp/works/1177354054890211621/episodes/1177354054890211694)を借りることとしよう。

 導く相手が女神たちであるから。 


 あの女神は見ていて面白い。

 そう言えば、あの者はあの世界に送り込む前は確か男だった。

 男が女に変わることによりその精神が最後には女体に引っ張られ、女神となった。

 実に興味深い存在だ。

 そして我の暇つぶしに最適な存在だった。


「では、その姿を借りるか…… 確か……」


 そう言って我はあの世界の女神を思い出す。

 あの者には我の力を髪の毛一本ほど与えている。

 とは言え、あの世界ではその世界ですら破壊できるほどの力。

 それだけ膨大な力を身に受け自我を保ち、我を楽しませる存在。


「くくくく、あ奴の心も投影してみるか……」


 そう言って我は姿を変え、思考をその者と同調する。

 背丈は百六十センチほど、金髪碧眼の長髪。

 こめかみの横に三つずつとげのような癖っ気が飛び出しいている。

 年の頃十五、六歳くらいの娘だが年の割には胸が育っている。

 まぁ、この辺はあの者の願望が具現化したようではあるが、確かあの者は同じ同性を好んでいたな……


 そんなことを思いながら姿を変える。



「んんっ、あー、あーですわ」


 

 どうやらうまくいったようだった。

 あたしはあの世界の女神とも何度か同化しているのであの女神の心もよくわかる。

 うーん、なんと言うか思考自体も単純化されているなぁ。

 でも今回受け持つのは女神学園を卒業したばかりの新人の下級神。

 相手をするにはこれで十分だろう。



「さてと、裸のままではいけませんわね? 適当にそれっぽい服でも作りましょうですわ」




 あたしはそう言って胸を揺らしながら女神っぽい服装へとなるのだった。


 

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