第9話 Re.Afterschool 3

学校から駅までの距離は半分を超えたか、ぐらいまでところだ。いつもより、会話の内容が重くなってしまい、歩きのペースは遅かった。

「声かけたら、割と優しい感じだったから、また話したいなって思ったのに、しばらく会えなかったから、もう会えなくなったやだなって思ってた。」

マイも俺と同じように思っていたのだ。

「だから、校門で会えたとき、本当にうれしかったよ。」

そう話す彼女は、少し目が潤んでいるようだった。「俺も、初めて会ってから、気になってたんだよね。」

俺の言葉で彼女の表情が少し明るくなった。

「良かった。迷惑じゃなかったんだね。」

「迷惑?ないない。邪魔されてこまるほどのことじゃないし。まあ、驚きはあったかなあ。」

「びっくりはしたんだね。」

「マイちゃんみたいな子と関わったことなんてなかったからなあ。うちの学校にいるとは思わなかったし。」

「この学校って、みんな何故か制服ちゃんと着てる子ばっかなんだよね。」

「何でも、一人しかいないと、いつも昼にしゃべってるやつが言ってた。」

「それって、自販機で、はーくんと一緒にいた子だよね?詳しいね。」

「山口崇太ってんだけど、ちょっと変わってるかなあ?いい奴だけど。」

「絶対いい人に決まってる。アタシ見ても、あからさまにひいてなかったし。」

崇太にも悪い印象はないようだ。というか、マイは本当に人当たりが良いと俺は本当に思う。ただ、それでも、勉強あたりのことは悩んでいたこともわかった。

「どうしても、本が読みたいっつーなら、本屋にでも行って見てみるか?」

「じゃあ、チョロっと見てみようかな?」

彼女も乗り気なので、駅前のそれなりに大きい書店に寄ることにした。

「アタシ本屋ほとんど行かないなあ、ファッション雑誌の立ち読みなんて月1の発売日くらいだもん。」

「場所は知ってるんだね。」

「あとは、キャラもののくじ引きで、好きなやつの時はいくかも。」 

「あれか?なんか1回500円くらいのやつ。」

「それそれ、でも、いつも、ちっこいのしか当たんないんだよね。」

「まあ、そんなもんじゃないか?かと言って、デカいぬいぐるみとか当たっても持って帰るの大変じゃない?」

「まあ、それもそうかもだけど、当たりちゃんと入ってるのか、疑っちゃうよ。」

「お祭りのくじ引きとかも、そんな感じするよね。」

「あー、めっちゃそれわかるー。」

ていう、会話を続けていたら、段々周囲も賑やかになってきた。もう駅前だ。書店の入り口も結構賑わっていた。

「おお、もう着いたな。」

「結構早く着いたね。てか、はーくん今日はあんまり疲れてなさそうじゃん。」

いろいろ話していて、気づかなかったかも知れないというのもあるだろうが、

「はーくん体力ついてるじゃん、偉い偉い。」

マイがそう言って、頭を撫でる。

「うわ、ちょ、恥ずかしいって。でも、ありがと。」

成長が実感できるのが、俺は嬉しくもあった。



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