第11話 精霊たちの策略
霧がかった湖の中央にそびえる精霊の王宮。巨大な水晶のような建物が、淡い青い光を放っている。
その中心では、女王アクアリス・セリーヌが静かに座していた。
彼女の周囲には、精霊騎士団長リヴィエール、側近のネプシアが控えている。
「人間どもは徐々に疲弊しているようですね。」
ネプシアが冷笑を浮かべながら口を開く。
「我々が送り込んだヴォイドが、彼らの希望を一つずつ打ち砕いている。」
「だが、ヴォイドを送り続け100年、人間は滅亡するどころか、ヴォイドへの対抗策を強めている。」
アクアリスが穏やかな声で言った。
彼女の瞳は、王宮の水鏡に映る人間たちの様子をじっと見つめている。
「人間がこの地に存在する限り、我々の目的は達成されない。これからは、より効果的な一手が必要だわ。」
「何か策はあるのでしょうか?」
リヴィエールが女王に尋ねる。彼女の声には忠誠心が宿っている。
アクアリスは静かに立ち上がり、水鏡に手を触れる。
「マリナスを呼びなさい。」
アクアリスは精霊科学者マリナスを呼びつけた。
「お呼びでしょうか。愛しの我が君。」
ほどなくしてマリナスが現れ女王アクアリスの前で跪く。
「改良型ヴォイドの完成はいつ?」
アクアリスの問いかけにマリナスが不敵な笑みを浮かべて興奮気味に答えた。
「あと数日で完成いたします。必ずや我が君の期待に応えて見せましょう!」
女王との会話の後、ネプシアとマリナスは王宮の奥にある研究室へ向かっていた。
高級そうな水晶の廊下を歩きながら、ネプシアが口を開く。
「ねぇ、マリナス。改良型のヴォイドってどんなのかしら?」
マリナスは手に持った奇妙なヴォイドの核をくるくると回しながら答える。
「これは我が君に捧げるもの、お前には教えてやらん。」
「へぇ、そう…」
ネプシアはニヤリと笑い、手元に集めた霧をマリナスに向かって飛ばす。
「その核、大事そうだからちょっと借りてみようかしら?」
「やめろ!貴様の戯言に付き合っている暇はない!」
マリナスは慌てて核を胸に抱え、後ずさりした。
「いいじゃない、ちょっとくらい?」
「ダメだ!研究中の代物だぞ、何が起こるかわからん!」
マリナスは大真面目だが、ネプシアは全く気にしていない様子だ。
「だってぇ、ヴォイド雨で運んで人間殺すのちょっと飽きてきたのよね。なんか面白い作戦ないの?」
ネプシアが椅子に飛び乗り、足をぶらぶらさせながら言う。
「作戦に面白さを求めるな!」
マリナスは額を押さえながら深いため息をついた。
「…まあ、次の作戦は期待しておけ。面白いものを見せてやる。
あぁ、愛しの我が君、待っていてください!」
マリナスが邪悪な笑みを浮かべて答えた。
二人のやりとりは騒がしくも奇妙な調和を保ちながら、次の計画の準備を進めていくのだった。
数日後
アークレイン機械戦術学院の東の空に巨大な積乱雲が発生し、雨が降り始めた…。
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