俺の彼女が武器になった理由

沙霧遊夜

第1話 人影

幸せとは永遠に続くものではない。いずれ終わりが来る。それが今日なのか明日なのかは誰にも分からない。そして、来て欲しくない幸せの終わりが俺にも来た。丁度1年前大切な彼女、月宮星奈が殺された。未だに信じられない。犯人は逃げている。俺は生きる希望を失いただただ屍のように生きていた。だが、そんな人生も今日で終わりにしよう。俺は山に向かっていた。歩いて到着した時には外は暗くなっていた。木に縄をかけ首を吊る準備はできた「ごめん。星奈、お前のところに行くよ。お前のいない人生なんて楽しくない。」そう言って縄に首をかけようとした瞬間、ガサッと音を立てて誰かが少し前を横切るのが分かった。俺は少し戸惑った。今ここで自殺しようとしても気づかれて止められるのではと思ったのだ。だから、俺は少しその人影を追いかけることにした。その人影を追いかけて、着いた場所は月がよく見える崖だった。月明かりに照らされたその人影は俺の1番知っている人だった。

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