二つの温もり、叶えられた願い

夏目奈緖

 俺の名前は久田悠人ひさだゆうと。大学一年生だ。高校入学直前の3月に、父方の祖母が亡くなった。忙しい両親にかわり、俺のことを育ててくれた人だ。最後は病院のベッドの上で、俺のことを心配しながら永遠の眠りについた。


 あれから数年経ち、俺は大学生になった。そして、俺には同じ男ではあるが、結婚の誓いをした相手がいる。このことを、夢の中でもいいから会って、祖母に報告したい。その人の温かい背中のぬくもりを感じながら、そのたった一つの願い事が叶えられた夜のことだった。

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