寝虎れ太郎がNTR野郎にざまぁする話
南北足利
第1話 寝取られた!
高3の梅雨の晴れ間、俺は人生の岐路を前に悩んでいた。
大学に行くべきか、就職すべきか。
俺、
母さんは小さな会社の事務員で、安い給料をやりくりして、俺を大切にしてくれた。
小遣いは少なめだったけどな。
夏休みに遊ぶ金欲しさにアルバイトをして、5時間必死で働いて得た金は5千円。
お金と母さんのありがたみを痛烈に感じたよ。
だから、母さんにはもう迷惑を掛けたくないんだ。
そんな母さんの親友の子どもが
俺はその美玖里と赤ちゃんの頃からずっと仲良くしていた。
美玖里は高校に入ってぐっと大人っぽく綺麗になったから、
我慢できなくなって、告白して付き合い始めたんだ。
美玖里は男女ともに人気が高いんだけど、俺に気を使って男子とは遊ばないように気を付けてくれていた。
そして、努力を惜しまない真面目な性格で、高校に入った頃の成績は平均だったが今ではトップクラスに入っていた。
その美玖里は東京のAランク大学に行きたいらしく、一緒に行こうと熱烈に誘ってくるんだ。行きたい!美玖里と一緒の大学!
東京の大学かぁ・・・
家賃5万、光熱水費2万、スマホ1万、食費3万、小遣い1万・・・
超控えめに見て月12万。これに授業料がプラス。
無理だ!これ以上、金銭的に迷惑掛けたくない!
アルバイトをたくさんするか?いや、勉強優先だよな・・・
奨学金を目いっぱい借りたら行けるかなぁ・・・
借金はイヤだなぁ・・・
だけど、美玖里と一緒に大学に行きたいなぁ・・・
そうだ!同棲すればかなり節約できるな!
よし頑張って同じ大学へ行くぞ!
そして、今日は美玖里が女子と遊ぶらしいので、
一人で駅前に行き、来週にせまった美玖里の誕生日プレゼントを探していたら、楽しそうなカップルが目の前の通りを通り過ぎて行った。
!!!
嘘だろ?
美玖里が!楽しそうに男と手を繋いでいる!
誰だ?・・・中学の同級生の
なんで?
美玖里はヤツと仲良くなんかなかったし、高校だって別なのに・・・
すぐに美玖里を問い詰めたい気持ちを必死に抑えて、
スマホで録画しながらこっそりと後を付けた。
他人の空似だよな?
だけど、あの春物のカーディガンは一緒に選んだもので・・・
時折光琉と見つめあう横顔は、間違えようもなく美玖里だった。
すると、楽しそうな二人はごく自然にラブホテルに入っていく!ああっ!
俺は思わず走り寄って、ホテルの入り口の前で叫んでしまった。
「美玖里!」
顔面蒼白の美玖里が出てきた!
「ど、どうして・・・」
そして、光琉も出てきて俺に気付くと、イヤらしく笑って美玖里の肩をぐっと抱いた。
「お~、虎太郎、久しぶりぃ~!
でもさぁ、ホテルの前で声、掛けるってマナー違反だぜぇ!」
挑発的な表情、声の光琉なんて全く気にならず、美玖里から目を離せなかった。
「美玖里・・・」
「違うの!あの、偶然、鶴井くんとそこで出会って・・・」
「なぁに言ってんの!ホントのことを言っちゃいなよ、ユー!
もう、何回もヤッただろぉ?お前、俺の方がいいってぇ!
もう一度してって、何度もせがんだじゃないかぁ!」
美玖里は俯いてしまい、ブルブル震えていた。
「あぁ、お前ら、付き合っていたんだっけ?悪いなぁ。
もう、美玖里は俺のモンだからぁ。
この前は、初めての中出しを最高に気持ちイイって喜んでいたんだぜぇ!
おら、いくぞぉ、一緒にヘブンへ!じゃあな、
「そ、そんな・・・」
光琉の下品な言葉を、美玖里は全く否定することなく、
光琉に引っ張られ、ホテルに入って行った。
べそべそと泣きながら家に帰った。
俺のどこが悪かったんだ?
それは、これほどの目に遭わされるほどのことだったのか?
家に帰って落ち着いてから、友人たちに連絡し、光琉のことを教えてもらった。
ヤツは中学時代荒れていて、同級生どころか、他の中学の奴らと喧嘩したとか、
先生に殴りかかったとか武勇伝がたくさんあって、
タバコを吸っていたとか、後輩からカツアゲしたとか、
イジメで同級生を登校拒否に追い込んだとか、
碌でもない噂もいっぱいあって、結局、低ランクの高校に行ったんだ。
高校に行って、武闘派からナンパに方向転換して、もともと顔が良いうえに、
トークが巧みだそうで、色んな女と派手に付き合っているらしい。
だけど、どうして美玖里と繋がったかは分からないままで・・・
時間が経つほどに、美玖里への愛と激しい怒りはドンドン無くなっていって、
諦めと無関心に代わっていった。
夕方になって、美玖瑠が家にやって来た。
へ~、長時間、しっぽりと?激しく?お楽しみだったんですね。
玄関で相対すると美玖里は俺と目を合わさず、ぼそぼそと話し出した。
「ごめんなさい、許して下さい・・・」
「・・・光琉とはいつから付き合っているの?」
「付き合ってなんかいません」
「へ~、街中を手を繋いで歩いて、ラブホテルに一緒に入るのに恋人じゃないんだ?
中出しさせたんだろ?恋人って言うか、もう夫婦じゃないの?
それとも、売春したってこと?」
「違う、違う!うぅっ、ごめんなさい・・・」
「・・・どうやって知り合ったの?いつから?」
「・・・GWに麻子と街を歩いていて、タチの悪い男たちに絡まれていた時、
鶴井くんたちが助けてくれたんだ。お礼にカフェに行ったら、昔話で盛り上がって
つい、虎太郎と進路が別々になりそうってこぼしちゃったら、
相談に乗ってくれて、凄く優しくしてくれて・・・」
・・・俺は恋人らしく、デートを重ねて、家に帰ってからもラインして、
電話で愚痴やとりとめのない話をちゃんと聞いていて、
美玖里にずっと優しくしていたのに・・・
暴力男がちょっと優しくしただけで、コレかよ!
「そりゃ、ヤリチンだから女には優しくするさ」
「・・・」
「まあ、いいけど。俺たち別れよう。」
「そんな!ちょっと待って!私、騙されたの!
動画を撮られて、脅かされたの!だから、お願い、許して!」
「嘘つくなよ。さっき、光琉の下品な言葉を否定しようとすらしなかったじゃないか。騙されたのなら!脅かされたのなら!警察に行けよ!」
「ひっ!ごめんなさい!でも、虎太郎が一番好きなのは本当だよ!」
「一番ね・・・俺は美玖里だけが好きだったよ。
もう、そんな気持ちは無くなったけどな。」
「そんな・・・ひ、鶴井くんとはもう、2度と会わないから!許して!」
「いや、俺と2度と、会わないでくれよ。」
「いやぁ~、別れないでぇ~!ごめんなさい~!」
美玖里は号泣し、縋りついて来た。
「嫌だ、もう帰ってくれ!」
「いやぁ~、お願い、許して~!」
怒鳴ったり、無理に引きはがす気力は無かった。
「高校ではお前が浮気したことは言わないから!もう帰ってくれよ!」
ついには、逆に俺がお願いしていた。
「ごめんなさい!別れないでぇ!」
そのうち、母さんが帰って来て、この修羅場にビビっていたけど、
事情を説明したら鬼と化した!
「もう2度と、虎太郎に関わらないで!」
仲良かった母さんにまで責められて、ようやく美玖里が出て行くと、
母さんはため息をついた。
「はぁ、これで親友を無くしちゃったかなぁ」
「ごめん」
「虎太郎は何にも悪くないでしょ。だから、しょうがないよ」
それから、美玖里は近づいてこなかった。
これまでいつも楽しそうだった俺がぺしゃんこになっていたので、
クラスメイトからどうかしたのか尋ねられた。
「就職するって言ったら、喧嘩になって別れた」
って嘘を言ったら、そうかって納得されてしまった。
みんな、クラブの最後の大会と受験とかでいっぱいいっぱいだからな。
高校は無事だったんだけど、中学の同級生には俺の悪評がばらまかれていた。
『虎太郎が
『事実無根。美玖里が光琉と浮気したから別れた』
『!!!マジか!・・・どおりで。みんなには伝えておくよ』
『俺を信じてくれるのか?』
『だって、お前のDVの噂の出所は光琉だから』
『光琉なんて信じられるハズがないだろ?』
『ありがとう』
『溝口もバカだなぁ』
『酷い目に遭うんだろうなぁ』
『虎太郎、元気だせよ!』
仲のいい友達はみんな、俺を信じてくれたから、凄く安心したよ。
ちなみに、母さんと美玖里の母だが、喧嘩はしなかったのだが、
美味い酒の肴だった俺たちが酷い別れ方だったので、
話すネタが無くなり、会わなくなったそうだ。
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