つま先にふさわしいニックネームを考える。
つま先にふさわしいニックネームを考える。
つま先、言わずと知れた、かかと、くるぶしとならぶ、足の三大レギュラー部位といえる。いや、くるぶしは準レギュラー感があるかもしれない。そのあたりは、足の部位を統括する担当者の主観に依存することは否めない。担当によって、パフォーマンスは変わって来ることもある、潜在能力のすべてを出せない場合もある。しかし担当者が変わると、それまでのレギュラーメンバーは白紙に戻りがちである。ねばりある口調で、あのぉ、それはさぁ、前のぉ担当がねえ、ま、個人的に決めたことでさぁ、んー、組織全体の意向によるものではないんですよねえ、などと言われたりすることもある。人類は人類として地球へ登場した初期から、後任者は、とりあえず前任者の決定を全面否定からはじめることをくりかえしてきた。まず前任者の否定は、本能に標準装備の説もある。そして、これからも、後任者による前任者の否定は繰り返される、きっと、ずっと、もっと、どんどん、と。
つま先は、そんなことを、一部の人々に思い出させる要素があってもおかしくもない、と、言い切れないことは、否定することは安易だが、それでも、ぽんぽん肯定できないという可能性を残しておかなければ、あとから、じつはあったとなったときに、ややハジをかくことになりかねない。ハジの少なめの生涯でした、と、言い切って、最後を迎えたい願望が、ここにある。なくても、いい生涯と言い切る自身もある。
それはそれとして、つま先とは、足の横ならぶ指先のことをさしている部位と認識しているものの、では、つま先の、つま、とは、なんだろうか。つま、って名称は、足の部分にあるか。いや、ここは、あえて検索はしない、真実追求の放棄をうえで、かりに、病院で、あ、すいません、ドクター、ちょっと、ぼくのつまが怪我したので、見てください、と伝えた場合、ドクターは、つま先をみるだろうか。さらに、症状をうったえた当人が独身だった場合、存在しない、つまが怪我したと思われかねず、合わせ技で誤解の威力が増しかねない。危険だった。これでは、ドクターに対して、うかつに、口にできない。とにかく、ドクターに伝えて、わかるニックネームではければいけない。ただ、病院に行く前に、ドクターと仲良くなっておくという方法もある。そう、事前に、ドクターとの懇親会をかさねに、かさね。ねまわしに、ねまわし、そして、相手が気をゆるし、油断したところで、つま先に対して、ふたりだけのニックネームをつけさえておけば、こっちのもん。あとは、いかようにもなる、よもや、すべての世界を手に入れたにちかい、そして、そして。
と、このままだと、ずいぶん長引きそうなので、つま先のニックネームは、もう『長引き』にしようと思う。
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