The マイマイ

二旋風に万能人 コラボ マイマイ

第1話 ある梅雨の日

 季節は梅雨。

 かたつむりたちがわんさか出て来る。ほら、こんな所にもマイマイとデンデンが。俺は喜んで角砂糖を一つ、かたつむりの横に置く。かたつむりよ、食べろーと念を飛ばしていると彼女は現れた。

 「俊広ー。待ったか?」

 彼女の名前は麻居麻衣。人呼んでマイマイ。まぁ、そのまんまだな。

 「かたつむり。居る?」

 たった今、一匹のかたつむりに角砂糖をプレゼントした所だと伝える。麻居は大いに嬉しがっていた。

 「よし。学校へ行こう」

 「そうね」

 学校に行く途中にもいたるところにかたつむりはいた。

 「かたつむりフィーバーだね。俊広」

 「そういやマイマイ。噂、聞いた?」

 麻居はキョトンとしている。

 「噂ってなーに?デンデン」

 彼女は俺の事をデンデンと呼ぶ。

 「黄金のかたつむりがいるんだって」

 「キン?何なの?」

 「その場所は学校のグラウンド。探したくない?」

 「探したい!」

 マイマイはジャンプして嬉しがる。

 「よーし。麻マイと俊デンで黄金のかたつむりを探すわよ!」

 俺とマイマイは授業が終わりしだい、噂の黄金かたつむりを見つけに行った。

 「あっ!こんな所にかたつむりがいる。デンデン、角砂糖一つちょうだい」

 俺は一つ袋から角砂糖を取り出す。「わーい」と麻居は嬉しがって受け取り、かたつむりの前に置く。この発想はマイマイの考えだ。科学的根拠はない。かたつむりは塩をかければ溶けてしまう。逆に甘いものを与えれば増える。という事だ。

 




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