第34話「星たちのメッセージ」



北斗学園の地下遺跡。巨大な水晶の中で踊る星々が、しだいに一つの形を作り始めた。


「あれは...」

星川綺羅の目が広がる。

「天の川...?」


星々は確かに、天の川のように帯状に並び始めていた。そして、その光の帯の中から、かすかな音色が聞こえてくる。


「歌...?」

春野カズマが耳を澄ます。


星見凛が一歩前に出る。彼女の体から放たれる光が、水晶の中の星々と共鳴するように波打つ。


「私に...語りかけてくる」


凛の声に合わせるように、古代のカードが輝きを増す。水晶の表面に、文字が浮かび上がり始めた。


『我らが選んだ道は、決して間違いではなかった』


「お姉ちゃん...」

完星会の男の目に、涙が光る。


『人として生きるでも、星として輝くでも、それは自らが選び取った未来。そこに正解も不正解もない』


星々の光が、さらに強まる。


『だから、悲しまないで。我々は消えたのではない。この宇宙の中で、それぞれの方法で光を放ち続けている』


秋月みらいが静かに頷く。

「そうだったのね...12年前、私たちが見失っていたもの」


水晶の中の星々が、新たな形を作る。今度は北極星を中心とした、螺旋状の光の渦。


『そして今、新たな時代が始まろうとしている』


「新たな...時代?」

織部翔が問いかける。


その時、星見凛の体が大きく光を放つ。彼女の半星の状態が、何かと共鳴を始めたかのように。


「分かった...」

凛の声が、どこか遠くから響くように聞こえる。

「私たちに必要なのは、完璧な調和じゃない。違いを認め合い...」


「そして繋がること」

綺羅が言葉を継ぐ。


水晶の中の星々が、凛の言葉に呼応するように明滅する。そして...


『第三の試練。異なる波動の共存を受け入れること』


古代のカードに新たな文字が浮かび上がる。それは、最後の試練への導きだった。


「異なる波動...」

蠍島アカネが呟く。

「それって...」


完星会の男が立ち上がる。

「我々も...理解した」


彼は黒い装束を脱ぎ捨てる。その下には、一人の兄として妹を想い続けた人間の姿があった。


「もう、完璧な調和は求めない。その代わり...」


「共に探しましょう」

天宮双葉が声をかける。

「それぞれの輝き方を」


水晶の中の星々が、最後の輝きを放つ。


『さあ、行きなさい。新たな世界の扉が、開かれようとしている』


その瞬間、星見凛の体から放たれる光が変化した。半星の状態だった彼女の中に、新たな可能性が芽生え始める。


「これは...!」


遺跡の天井に、古代の星座図が鮮やかに浮かび上がる。そして、誰も見たことのない星座の形が、その中心に描かれていた。


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