第32話「目覚める遺跡」



北斗学園の校庭から放たれる光は、夜空まで届きそうなほどの輝きを放っていた。地面からの光が、まるで星座の線を描くように広がっていく。


「これは...」

織部翔が地面に浮かび上がる文様を凝視する。

「オリオン座と...北斗七星...?」


地面の模様は確かに星座を表していたが、現代の星図とは微妙に異なる配置を示していた。


「古代の星霊術士たちが見ていた星空...」

秋月みらいの声が震える。

「12年前、私が見た資料に記されていたものと同じ...!」


完星会の男が一歩前に出る。その表情は、もはや敵意に満ちたものではなく、何か切実なものを秘めていた。


「そうだ。我々は知っていた。この学校の地下に、古代の遺跡があることを」


地面の光が、さらに強まる。そして、校庭の中央に円形の階段が浮かび上がった。まるで光で作られた螺旋階段のように、地下へと続いている。


「凛さん!」

星川綺羅の声に、全員が星見凛を見る。彼女の体が、いつもより強く発光していた。


「この波動...私の中の星の力が...呼応している...」


「行くぞ」

完星会の男が部下たちに命じる。

「我々の、本当の目的のために」


「待って!」

綺羅が叫ぶ。

「あなたたちの目的...本当は何なの?」


男は立ち止まり、振り返る。

「教えてやろう。我々が求める完璧な調和とは...」


その時、古代のカードが強く脈動した。第二の試練の文字が、より鮮明に浮かび上がる。


「失われた者たちを...取り戻すこと」


「失われた...?」

蠍島アカネが問いかける。


「12年前の実験で、星の力と融合しきれなかった者たち。半星となった者たち。そして...完全に消えてしまった者たち」


星見凛の瞳が広がる。

「私だけじゃなかった...」


「そうよ」

みらいが答える。

「あの実験には、もっと多くの人が...」


光の階段が、さらに鮮明になる。まるで、彼らを導くように。


「だから私たちは、完璧な調和を」

完星会の男の声が、悲しみを帯びる。

「あの時失われた魂を、取り戻すために...」


天宮双葉が柊の手を強く握る。

「でも、それは...」


「間違ってる」

春野カズマが声を上げる。

「失われた人たちのために、また誰かを犠牲にするなんて」


その時、古代のカードから新たな文字が浮かび上がった。


『星は消えない。形を変え、光を変えながら、永遠に輝き続ける』


「これが...予言?」

翔が問いかける。


「違う」

星見凛が答える。

「これは...約束」


光の階段が、彼らを待っていた。そこには、古代の術士たちが残した真実が、そして失われた者たちの行方が、眠っているのかもしれない。


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