白い龍を呼ぶ雨

雨に呼ばれて

白い龍が現れた


巨大なもののスピードで

層雲がゆったりと山を渡る


鈍色の空に溶けそうな

半透明のもやの中へ

鳥が迷い込む


やがて

連なる山峰を超え

雲は神に似た龍姿となった



山の端に日が沈むころ

神宿る龍体は

吸い込まれるように

雲散霧消していった


夢の記憶のように

余韻だけ残して

見えなくなった


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818622171782195508

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