ひとりタンポポ

種をひとつだけ

ぶら下げた冠毛が

身を寄せ合っていた

丸い綿毛を離れて

高みへと旅立った


ひとりの身は軽く

高く高く上ってゆく


行けども行けども

しかし

青い空には届かない


白い雲を抜け

雪を抱く山の上まで

たどり着いても


空は青くなかった


とはいえ

地上から見れば


ゆうらり

ふんわり

青い空に溶けて

ひとりタンポポ


ゆうらり

ふんわり

青につつまれて

ひとりタンポポ


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093094213137174


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