第5話
二日目
ジュリーは走った。吸血鬼としての身体能力と能力をフルに活用して力の限り走った。そして日が上がりきる前に疲れ果て、テントの用意をする。
「はあ…はあ…キッツい…。」
「すごいわジュリー!二日で半分超えちゃった。」
「之でも怪異の王とか言われているらしい吸血鬼の眷属ですからね。嫌でもさすがにもう今日は無理です。」
「知ってる知ってる。あっちに小川があったから水組んでくるね。ジュリーは休んでて。」
「わかりました。溺れないように注意してくださいね。」
「川でおぼれたりしないわよー。じゃあ行ってくるね。」
しばらくして「キャー!」と悲鳴が聞こえ、川でおぼれたレアをジュリーが助けに行く羽目になったのは想像に難くないだろう。
「どうだね私の出汁の入った水のお味は?」
「一気にまずくなった気がします。」
「あ、ひどい!」
湯を沸かしながらジュリーは嫌そうにため息をつく。その態度にレアはタオルで頭を拭きながら口を尖らせた。
「男の子ってそういうのうれしくないの?私顔は悪くないでしょ?」
「俺の知り合いはそうやって自分の顔の良さを妙に理解して武器にしている人多いんですよね。はあ。」
「使えるものは何でも使うべきよ。」
「諸刃の剣ってことを理解していただきたい。あと、どんな美女の老廃物でも所詮老廃物です。それなめて喜ぶとかどんな変態ですか?」
ジュリーは沸いたお湯をカップ麺にそそぐ。
「つれないなー。あれかしら?いつも女の子と一緒にいるから耐性着いたとか?」
「ちょっと何言ってるのかわからないです。」
「ほら私が胸を強調しても興味なさそうだったじゃない。」
「今のご時世視線すらハラスメント認定される世の中なんですよ。」
「生きづらいねぇ。」
「もう少し寛容な世界になってほしいものです。」
その後、三分たったのでカップ麺のふたをとる。二人はそれをすすりながら話を続けた。
「彼女いないの?」
「いませんね。これでも見てくれの悪さには自信があります。」
「人間見た目じゃないよ。」
「レア様に言われても説得力ないですね。」
「リズとかどう?ちょっと粗暴だけど、いい子よ。」
「あの人家事ほとんどできませんからね。生活できないと思います。」
「じゃあももちーか。」
「結婚するなら最高の人ですよ。俺が釣り合うわけないですけど。」
「卑屈だなー。そういえばジューンって仲悪いの?いつも妙に君への言葉がとげとげしいけど。」
「別に仲は悪くないですよ。まああの人男嫌いのようですし、あっちがどう思っているかははかり切れませんけどね。」
雑談と昼寝をしたのち、昨日と同じように夜を越した。
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