たぶんドラゴン何とか〜 そんな感じの育成・対戦ゲー世界。モンスター転生とチャラ男のプロ〜【短編版】
ヤナギメリア
第1話 戦闘! 暴走レリモン!! (前編)
レリーフモンスター。通称レリモン。
設定はかなり昔の事で思い出せないんだが、何でも元はレリーフみたいな伝承の中にしか、居ないと思われていたモンスターたちだった、らしい。
そんなモンスターが、最初の一匹を発見とともに、封印されたレリーフから抜け出して野生化。まあ、元居た生き物だから、そんなに生態系の影響もなく、順当に増えて今に至ると。
「シャーちゃん。チャンネルこれで良い?」
『シャ〜♪』
そんなモンスターの一匹に、俺は憑依? 転生? して今に至る。そう。今研究所の執務室で、博士の首に巻きついて、反対側のパソコンでアニメ見てるヘビみたいな、シャワーの蛇口みたいな生き物が俺だ。
気がついたらモンスターで、前世の俺自身の記憶は曖昧。なんかダンジョンがある世界で過ごしてて、めっちゃ強いエルフな探索者激推ししてて、家族と友人愛してて、大根農家で、ゲーム好きだったぐらいしか覚えてない。
なにせ雪の降る冬を15回は経験した。もう相当昔の事だ。転生直後は覚えてた気はするが、案外快適なモンスタースローライフだったので、そんなにもう覚えて無いわけだ。
「お。この2匹。動きが良いわね〜」
博士のいじっているパソコンを見てみる。どうやらレリモンスポーツの公式戦のようだ。
壁際を見ると少し色あせた、今より若い少女時代の博士が、優勝カップ齧って写真に写っている。
元2代目チャンプである博士は、たまにこうして仕事サボって公式戦を観戦している。
画面の中では猫耳の黒い影みたいなモンスターと、一本角の毒持ってそうなモンスターが取っ組み合いをしている。
その後ろでは、彼らのトレーナーが真剣な形相で作戦を指示している。ご苦労な事だ。俺もモンスターの端くれである以上闘争本能はあるが、そこまで熱狂できる気はしない。
一応これでも研究所の農場では、腕の良い牧羊モンスターとして頼られてるので、そこそこ戦うしな。あっ、CMだ。
映画とそれに関するミュージックビデオのCMらしい。4人の男の子が楽器やら寝袋やら背負って、こっちに向かって草ボーボーの廃線路を歩いている。
「シャーちゃん?」
無くなったはずの胸に、こみ上げる物があった。なんとなく俺は前世でこんな青春時代を、まともに過ごせなかった気がする。
透明よりも、綺麗な輝き。どこまでも純粋で、色あせる事ない、かけがえのない物。そんな物を手に入れられなかった。そんな所だろうか。
「シャーちゃんッ!!!」
『ジュアッ!?』
「もう、何度も呼びかけてるのにどうしたのよ。君らしくもないよ?」
博士の言う通りだ。無くした物を取り戻す機会なんて無い。切り替えよう。
CMも終わってアニメも始まっている。視聴しないと、俺の話を楽しみにしているボス……なんだ?
ブオオオン、ブオオオンとか言って、バイクの音が近づいて来るッ!!?
「ウェーイィイッ!!! 緊急時に付き強制エンカウントゥーッッ!!!」
農場直通の大型モンスター用入り口から、バイクでカマして来やがったのは、どう考えても常識を1ミリも学んでなそうな、チャラい男だった。
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