悪役不在の物語で主人公に転生して~今頃悪役は…え?事故で死んだ?~
好きな果物?りんごのみ!
紅き華に彩られて
第1話 人がよく死ぬ日に
その日俺は霧で視界が悪かったが、深夜に横断歩道を渡っていた。そしたら車に轢かれた。周りには大勢の人が居たからドライバーは必ず捕まるだろう。だが、その中にアニメのラスボスのような姿形の人が笑みを浮かべていたいたのは気のせいだろうか。
それが薄れる意識の中一つだけ思案できた事だった。
ピッ、ピッ、機械的な音が響く。
目を開くと酸素マスクをつけ、ホースが沢山つながっている俺の姿が見える。
(俺だ…え?俺?)
そう、俺だ。
最初はとても…とてつもなくビックリしたが、一周回って冷静になる。
(なんで…俺見えんの?)
まず考えられるのは2つ。
1つ目は夢を見てるのか。
2つ目は幽体離脱か。
このいずれかである。
(幽体離脱なら俺は死んでるってことになるし、ここは夢だと思うことにしておこう!)
あたりを見回すと、どうやら結構大きめな病室のようだ。
ピピピピーッ!
機器が狂ったように機械音をだす。
(これって…俺死んだってこと?でも、夢という判断をしたんだ!夢の中の現象に過ぎん!!)
そんなくだらない事を思いつつ病室が黄金に光っていることは気づかなかった。
次に目が覚めたのは、洋風な子供部屋風なところだ。あとデカい。部屋がデカい。60畳はありそうだ。
周りに何があるかの確認のため、起き上がろうとしたが、起き上がれない。
声を出してみる。
「あ、あうぁ」
そんな腑抜けた声しか出ない。
知らない場所、起き上がれない、声が違う、そんな不安要素が怖くなり無意識的に泣いていた。
泣いていると、中年の女性が部屋の外から来る。
「はいはい、どうしましたか?」
どこかよそよそしい。
そして俺の体を楽々と持ち上げる。
(え?え?俺これでも18歳で体重63kgあるんだけどな…どんな怪力婆だ!?)
この部屋にはどうやら鏡があったようだ。
おばさんが体を持ち上げてくれたおかげで自分の体が見える。
赤ん坊だ。おばさんの腕に抱かれているのは金髪に赤のメッシュがかかって、顔が整っている赤ん坊だった。
あの日からちょうど5年がたった。言葉などは最初から分かりすぐに理解できた。
そしてそのせいで、面倒なことも分かった。
俺は死んでしまい転生した。そこは命が道端に落ちている石ころと同等の価値の世界、ファンタジーの世界そしてさらに面倒なことはその世界にはストーリーがあり、俺はその主人公に転生してしまったことだ。
主人公、つまり俺の名前はソウレット・クレイ・ニューシス。
このニューシス王国の王位継承権1位にあたる。
そして悪役。公爵家のサウザンド・ソード・クラネット。
悲しいことにヒロインは居ない。この物語のストーリーは悪役を倒し、無事王位を継承することだ。
だが、天、この世界でいう女神リアはそれを許してくれないらしい。
(今頃サウザンドは魔法の特訓とかしてるんだろうなぁ…俺も魔法使いてぇ…)
ココアを片手に
「は⁉クラネット公爵家跡継ぎのサウザンド・ソード・クラネットが事故で死んだ⁉なんの事故だ!」
執務室にて不穏な会話が流れる。この国の貴族、王族は3歳のころから執務をみっちり叩き込まれ、5歳のころは大人と遜色ないほどの執務能力を身につけなければいけない。身につけられていないと家庭教師が鞭でたたかれる。
つまり、俺も執務能力などをみっちり叩き込まれ執務能力がずば抜けて高い。
そして、俺の問いかけにこたえるのは現在王国最強と謳われる男、王国近衛騎士団団長ジルナード・フォートレスという、金髪で爽やかな30代イケメンだ。こいつは平民から現在の地位まで上り詰めた実力者で、貴族、王族からの信頼がとてつもなく厚い。
「は!馬車が崖から転落し落下して死亡との報告承っております」
「道が崖の近くにあるのも大問題だが、崩れたのが一番の問題だ…新しい街道の整備と、何者かの差し金じゃないかを徹底的に調べろ!」
「は!」
ジルナードは、速やかに執務室から退出し部下の者に調べるよう言ったようだ。
(まずいことになった。この後はサウザンドの野郎の親、クリムゾン・ソード・クラネットが来て俺に文句を言い、罵詈荘厳を浴びせそして帰るのだろう。この件が落ち着いたらお父様に小遣いねだろう。てか俺今日誕生日だし)
だが、この国には誕生日を祝うという習慣がない。もらえるとしても玩具程度だ。
俺の予想は的中し、1時間後にはクリムゾンが来て1時間ほどこっぴどく罵詈荘厳を浴びせられていた。
(そういえば帰り際に、なんであの子だけ助かったのだ…とか言ってたけど誰のことだろ、追々情報部隊に情報網張ってもらうか…)
執務室の椅子の背もたれに体重を預け、椅子がキィときしむ音が非情に部屋に響くのだった。
翌日には犯人は突き止められた。王都のすぐ横の都市マーガリンというおいしそうな名前の都市を治める子爵デーブ・ダケド・ダイジョブというふざけた名前のなまけた豚みたいに膨れ上がったやつだ。
あれもこれもすべてジルナードのおかげだ。ジルナードは自白魔法という拷問がいらない便利な魔法を持っており、王都の近くの領地にかったぱしから侵入しては自白魔法をかけていたらしい。その後クレームが殺到したが部下にクレーム処理を任せた。
(ジルナードに今度領地与えよ、同時に男爵くらいには上げてあげたい…にしてもおかしいな。ストーリーが始まるのは俺とサウザンドが10歳になって魔法学院を入学する時に始まる、その時にサウザンドは生きてるはだ…ストーリーエンディング後も没落して貧乏になったとはいえちゃんと生きてるしな…)
考えてもわからないことは仕方ない。
その日はジルナードにどの領地を与えようかと考えたのであった。
翌日
暗闇に一筋の光、パソコンの画面が投影される。
原作 赤広木先生からのメッセージ
ソウレット君は執務がとにかく苦手で、7歳になるまで執務能力を身につけられてないんですよね。でも、最終的には身につけられたので、この解説bookを手に取ってくれた方、原作を読んでくれた方はきっと努力は結ばれることを知ってもらえたと思います。
ガバッ!
ベッドから飛び起きる。
今のは夢だったのだろう、転生前の。
7歳になるまで執務能力を身につけられてない?
それは俺が判断してきたことを原作のソウレットは判断していないことになる。
俺が判断したことが巡り巡り遠回りをして、サウザンドを死なせる原因にしてしまったのではないか。
そう考えると胃液が逆流しトイレへと駆け込む。
落ち着くと、俺のせいでは無いと思えるようになった。
(サウザンドの分までちゃんと生きよう)
サウザンドのように強くなる。
サウザンドの分まで強くなる。
(ならまずはレベリングだな)
「ジルナードを呼んでこい」
部下に伝えるとすぐにジルナードを探しに行ったようだ。
数分して、ジルナードがノックし、部屋に入る。
「失礼します」
「ジルナード、お前を伯爵に昇格し領地を与える、そして俺の狩りに付き合え」
「ありがたき幸せ!」
お父様に言い明後日に叙勲式を行う事となった。
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