第29話 俺はやっぱり小学生以下だ

 ゴミを片づけるボランティアも、募集しているらしい。

 不法投棄が後を絶たず、人手が足らなくて、困っているんだな。


 俺がひと肌脱いでやろうじゃないか、巫女に脱がしてもらうだけじゃないんだ、自分でも脱げる事を見せてやる。

 んー、小学生でも出る事に、俺は何を力んでいるんだ、バカなんだろう、小学生以下だな。


 それは良いとして、ゴミを求めて、ボランティアをしたいと連絡をしてみよう。

 見つけたゴミは異界へ運び資源となり、〈アッコ〉が喜びサービスが向上する、不法投棄は無くなって、皆が喜ぶ、そして俺は気持ちが良い。


 〈アッコ〉はハッピー、異界もハッピー、俺もハッピー、みんなハッピー、世界はまるでハッピーだ、あははははっ。


 俺はやっぱり小学生以下だな。


 ボランティア団体さんへ連絡を入れたら、すごく喜んでくれた、不法投棄は何とかするべきだと思っている人は多いが、実際に活動する人は本当に少ないらしい。


 住居近辺の不法投棄の現場の地図を、ボランティア団体の担当者が、メールで送ってくれた。

 こんな身近に大量のゴミが、不法投棄されている事を訴えたかったんだろう、でも山の中じゃん、すごく遠いよ、車でないととても行けないな。


 しょうがない、レンタカーでも借りて行くか、でも金が惜しいな、俺は貧乏なんだよ。


 何もすることが無いので、俺は〈さっちん〉が勤めているカフェへ行ってみることにした。

 単なる冷やかしだ、それとパソコンを持って行き、小説の続きを書いてみよう。


 本物の小説家とか漫画家は、喫茶店やファミレスで、構想を練ったりネームを考える事も多いらしい、俺も同じようにしてみよう、商業デビューする日は来ないだろうけどな。


 アイデアが小学生のエロガキのセンスと変わらない。


 店に入ったら〈さっちん〉がいた、当たり前だな、店のユニフォームだろう、メイドさんみたいなエプロンドレスを着ているぞ。

 スカートの丈がかなり短い、〈さっちん〉のムッチリとした太ももが半分くらい見えている。


 ここはエッチなお店なんだな、どうしよう千円しか持ってきてないや、ぼったくり会計が払えなくて、俺は店の裏口へ連れて行かれて、殺されてしまうんじゃないのか。


 「うぅ、〈さっちん〉助けてくれよ」


 「えっ、〈よっしー〉、何があったの」


 「〈さっちん〉の店が、エッチでぼったくりだから、殺されるんだよ」


 「はぁ、人聞きが悪いことを言わないでよ。 ちょっと裾が短いだけじゃないの。 料金も適正なんだから」


 「そうなの」


 「当たり前でしょう。 私がどうしてエッチな店に勤めなくちゃならないのよ。 あっ、〈よっしー〉は気に入らないんだね。 うふふっ、心配しなくても他の男には触らさせないわよ。 ここは健全なお店なんだからね」


 「うーん、短いよ」


 「ふふっ、〈よっしー〉は意外に嫉妬深いんだね。 しょうがないな、明日からはパンストを履くから良いでしょう。 生足は見せないようにするわ」


 パンストか、それはそれで、かえってエロい気もするけど、あまりしつこいと嫌われてしまう、この辺で妥協しよう、妥協だらけの人生、それが俺の生きざまだ。


 「了解。 ホットを頼んで良いか」


 「へへっ、習いたてだけど、私が淹れてあげるね」


 〈さっちん〉は微笑みながら、カウンターの奥へ入っていった、エプロンドレスを着たおばちゃんと会話しているな。


 耳をすませば、「うちの旦那が」と聞こえてきた、俺の話をしているらしい、笑い声が起こったのが、かなり気になる、悪口じゃないよな。


 それにしても、おばちゃんが裾の短いエプロンドレスか、お年寄りに需要があるんだろうか、俺も年を取ったらそうなるんだろうか、恐ろしい気分になってしまう。


 今度の小説のラスボスは、セクシーな衣装を着た初老の女性にしてみようか、かなりインパクトがあるんじゃないかな、オリジナリティもあるぞ、お年寄りの読者がつくかも知れないな、その分若年層が引くけど、元々いないから無問題だ。


 〈さっちん〉の淹れてくれたコーヒーは、かなり苦かった、習いたてだからな、その代りに代金はいらないらしい、そりゃそうだろう。


 エプロンドレスを着たおばちゃんと白髪頭のマスターへ、「嫁をよろしくお願いいたします」と頭を下げて、俺は店を出る事にした、無料なのに長居は出来ないだろう。


 〈さっちん〉はウインクして俺を見送ってくれた、平和な時が流れているな、新装開店のくせに少し時が止まったような店だった。


 その夜、俺は〈さっちん〉の胸を揉みながら、希望を口にしてみた。


 「お店のユニフォームで、一回してみたいよ」


 「あははっ、〈よっしー〉の事だからそう言うと思ったわ。 でもダメなんだ。 持ち出し禁止なんだよ。 服なんか直ぐ脱がすくせに、我がまま言いうんじゃない。 代わりに私の裸をもっと見なさいよ」


 「うーん、そうか、しょうがないな。 それじゃ立って、全身を見せてくれよ」


 「はぁー、バカじゃない。 そんな恥かしい事が、出来るわけないわ。 痴女じゃないんだから」


 えぇー、自分から言い出したのにそれは無いよ、それに痴女は言い過ぎだろう、旦那か恋人に裸を見せている女性に謝りなさい、具体には知らないけど。


 「ちぃ、なんだよ。 それじゃ、今度また一緒にお風呂へ入ろうよ」


 「んー、それなら良いよ。 洗いっこしようか」


 おぉー、それは良いのか、〈さっちん〉の裸を見せる基準が理解出来ないな、自分からエッチに誘うのはしたく無いって事か。


 「うへへっ、楽しみだな」


 「うわぁ、〈よっしー〉の顔がいやらしい」


 「ふふっ、何を言っているんだ。 これから〈さっちん〉を揉んで舐めて、いやらしい顔にしてやるよ」


 「きゃー、止めてよ。 私は清純なんだぞ。 そんな顔にはなりません」


 「ひっひっ、それじゃ試してみようじゃないか」


 「くすん、くすん、乙女が悪い男に遊ばれてしまうのね」


 「そうだ、すごく乱れてしまうんだぞ」


 「だけど、〈よっしー〉。 胸を揉む手が止まっているわ。 話しながらも、愛撫を続けなさいよ。 話の合間には、キスもして欲しいな。 遊んでいないで、もっとちゃんとしてくれないとシラケちゃうわ」


 「す、すみません」


 俺はその後、誠心誠意の愛撫を行った、普段の倍時間をかけて、こってりと前戯をしたんだ。

 時間をかけたお陰で、徐々に〈さっちん〉の顔がいやらしくなってくる。


 俺の唇にむしゃ振りついてきたな、もう一息だ、頑張ろう。

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