第2話

「おい、俺の上着」


「へい、若頭」


(えっ、若頭?)


すると、男性はすずかの頭の上から上着をパサっとかけて、すずかを隠した。


すずかはギュッと男性に抱きついた。


そこへすずかを追ってきた男達が声をかけた。


「お取り込み中失礼致します、こちらに女性が逃げてこなかったでしょうか」


男性はすずかを見下ろして、唇にキスを落とした。


(えっ?キスされた?)


すずかを追いかけてきた男達は咳払いをして、戸惑っていた。


「ほんと、お取り込み中だよな、人にものを尋ねる時は、自分から名乗れよ」


「失礼致しました、我々は南財閥御息女南すずか様のSPをしております、すずか様が急に姿が見えなくなったので、探しております」

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