フキトバ
恥ずべき人間ちゃん
不死身 the パワー
俺はなにわの高校生探偵!
では無くなにわのニート
高卒でフリーターになるはずだったが
自分の胆力を見誤っていたせいで俺は今ニート
幸い親は地主でお金には困らないし
弟だから面倒な期待も仕事もする必要が無い
毎日親の財布から千円を取り出し
ふらふらと夜中に散歩をする不審者として
生きている
「お、うまそう」
コンビニでジュースとチキンを買って
公園のベンチで食べる
でもこんな毎日を俺は気に入っている
誰にも邪魔されない、邪魔させない
何でか知らないけど親とは仲良くしてるし
家事はできるから親が死んだら専業主夫かな
なんて考えていると
「ねぇ!そこの君!」
「なんすか」
なんだコイツ、黒装束…かっこいいな
「君、こういうの近くで見なかった?」
「いや〜見てないっすね〜」
黒装束が見せてきたのは謎の模様の写真
表現しにくいけどアーモンド見たいな模様やね
「ハイこれ、見かけたら教えてね!」
「あ、わかりました」
紙切れ?あっ電話番号か
あ、黒装束どっか行った…
なんだこれ
もしかして物語に巻き込まれたか?
いや〜、こういう系は履修してないんだよな〜
と言うかあんまりオタクじゃないし
俺はアニメとか漫画とかあんま見ないし
そもそもニート≒オタクじゃないし…
いやいや、そんな事は関係ない!
最近散歩がマンネリ化してきてたんだ
進展はとても嬉しい… 探すか!
頭が悪いから地道に探すしか無い
でも写真は金属の壁にスプレーで描かれていた
ここらへんで金属の壁なんてないから
多分大きめの看板とかだな
俺はこれと言った特技は無いが、自分の身長の2倍くらいの壁とか柵なら登れる、慎重に行ってもいいなら有刺鉄線が張られても登れる自信がある
何が言いたいかというと
「お、開いてんじゃーん、ほっ!」
関係者以外立ち入り禁止の看板なんて気にせず
壁を乗り越え商業施設の路地裏に入る
「こういう奴には…あった」
非常用の階段を登り
屋上にある広告の看板を見に行くと
「こ、これは…!」
特に何も無い、それもそうだ
俺はトゥルーマンであって魔法少女じゃない
何者でも無い物語だって事によく気付かされる
近くにそう大きめの看板も無い
いちいち小さいのも見てたら日が昇る
でも…
「気持ちいい〜!」
今は冬だけど、今日は少し暖かい日だったから
寒くない、むしろ涼しい
「朝までここで過ごすか〜」
鞄を枕にして横になる、汚いとかどうでもいい
目を閉じて、閉じていると見えてくる模様を見る
ドット絵みたいなのがふわふわ浮かんでくる
眠くなるなぁ〜…
「はっ!」ピコーン
思い出した!あの模様あれだ!
近くの個人経営のコンビニのロゴだ!
もう潰れてるけど絶対そうだ!うわやば!
俺天才すぎる!!!!!!!!!
電話を掛けながらそのコンビニに向かう
「もしもし」
「俺や!さっき公園の奴!」
「誰?」
「アーモンド見たいな模様見せた奴や!」
…
「あぁ!あの不審者!」
「そうだよこの野郎!
あのロゴが使われてた場所を思い出した!」
「本当に?!」
「メッセージでGoogle Mapの座標送るから来い!」
『例のコンビニ』
「俺は着いたで」
「了解、私はあと少しで着くと思う」
「は〜い」
あ〜懐かしいな
やや爺、元気にしてるかな…
初老だったからやや爺ってあだ名にしたんだっけ
ドアを開けるとあの頃の情景が目に浮かぶ
ガムのガチャまだある、駄菓子多かったな〜
やや爺イノシシ狩って良く俺等に肉くれたな〜
あ、そうだそうだ、地下には絶対入るなって
言われてたな、今ならやや爺も居ないし
入っちゃおう
『 地下 』
「こんな感じなんだ、意外と広いな〜」
多分ここに段ボールとか置いてたんだろう
もう何もない
「これなに?」
埃が被っていてよく見えなかったけど
絨毯が敷かれてる
「うわ、めちゃ埃被ってら、ボフってしよ」
絨毯の両端を持って埃を落とそうとした時
絨毯の下にさっきの模様がある
絨毯を横に退かすと、絨毯の下だけ地面が金属で
これが被写体だと気づく
「これか〜!あれ?」
これ…地面じゃなくて蓋じゃね?
コンクリートに窪みがあって
ちょうど金属を持ち上げれそうになっている
持ち上げてみようかな
窪みから縁を持つと、あり得ないほど軽く持ち上げられる、そのまま向こう側にひょいと投げると
「ゔっ…!お゙ぇ…」
そこには穴があり腐敗した物が大量に
捨てられていた
なんだこれ…俺が中3からグロ見てる腐れ野郎じゃなかったら気絶していた
それも乾燥した感じじゃなくて、みずみずしいと言うか、今も鼓動しているというか…
動いてる?!これなに?!キモすぎる!
「何だこのキモいのは」
「それは神です、正確には神の一部ですが」
あ、黒装束
「これが…神?あんま綺麗じゃないな」
「ネットのしすぎでは?神とは汚いものですよ
排泄物から出来た神とかも日本神話にはいるし」
「はえ〜」
だからなんやねん
「これ、生きてるん?」
「まぁ…簡潔に言えばそうです、神を構成する物を作っている途中なんです」
「?」
要約すると神には4つの外せない要素があり
それが
『現実改変能力』
『圧倒的パワー』
『冷酷な判断力と慈悲の心』
そしてこなキモい奴は
『不死身の体』を作っているらしい
「えらい頑張っとるんすね〜」
「はい、神をこの世に作り出し
世界平和を実現させるんです」
「はえ〜」
トンッ
え?
「今年から私がここの管理人なんです
それに、偶に生きた人間を食わせないと不機嫌になるらしいんです、すいませんね」
「うわっ…気持ち悪い〜…」
俺は蠢く臓物の穴に落とされた
すぐに蓋も閉められて真っ暗だ
さっき食わせるって言ってたけど…
俺食われるのかな?
やだな〜、俺まだやりたい事いっぱいあるのに
万博行きたいのにな〜
《「器ゅ゙利…ペゥ゙)]
「うわっなんだこいつ」
合成音声のような気持ち悪い声が聞こえ
その方向を見ると、2つの目があった
〚{墓ジ…廬⁹メ】」
「この俺を食うつもりか〜?」
唯の肉塊に思えるけど
唇、舌、歯の役割を持っているらしい肉が
音を立てて、こっちに近づく
『こンに、ちワ」
「あ、こんにちわ」
「どジて、ここニ居るノ?』
「知らない人にこの穴に落とされたの」
『か愛い"そウだぁね』
「同情してくれてありがとう」
こいつは人を食うのか〜?
いや、セオリー通りならこいつは俺を食うだろう
倫理観のない化け物が一番怖い
純粋無垢はソレを良いように言い換えた言葉だ
『ね、ぇ゙戻りタい?〛
「まぁ、戻りたいな、俺まだ死にたくないし」
「僕モ、此処かラ出たィ殻、協力、シよぅ』
「え?」
予想外のパターンだな…
「良いよ」
『ありがトoう、ジャあ入ルね」
「え? オゴゴッ!」
突如肉塊が体の中に入っていく
吸収するように肌から入っていく
「あ〜!知らない感覚〜!」
『な良、これガ恥めてだネ、良かっタネ〕
「別に良くはない〜」
『 数分後 』
「はぁー、はぁー、」
『大ジョう夫?」
「いや、もつ慣れたから…疲れてるだけ…?
あれ?全然しんどく無い、さっきまで枯渇って感じだったのに」
〚僕ワ不死、君も一時テキに不死だ夜」
「はえ〜」
『ぼクは、その蓋をアケれ無い
でも君なら開ケれる、でシょ」
壁についているハシゴを登って扉を開ける
さっきより少し重い気がするけど難なく開けれた
『こコが…外なんだ、思っテタより綺霊」
ごちゃごちゃしてる間に、もう日の出だ
綺麗だな〜、じゃなくて
「出れたんだし、俺からも出てくれない?」
『無リ〛
「なんで?」
「ぼ区の居場所、数ネンに1度しカ変えれナィ』
そんなアカウント名みたいな理由で?
俺あと数年もこいつと一緒?
『デも、神丿体がカン成したら、僕はジ由
ソレにもうスグ、完正、すると思う 〙
「それまで俺の体?」
〚ウん」
「まぁ良いけど」
「アザス』
「敬語使え」
続く
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