白いスニーカーをはくこと

つちや あすか

第一章 「黒いスニーカー」

 私は以前、「黒いスニーカー」ばかり履いていた。汚れの目立つような色を避けたいと思っていたからだ。無難なものの方が使いやすいし、他人に汚いやつだと思われてはいけない。


 身につけている物が綺麗な状態でこそ、社会的に「人」として接してもらえると考えているからだ。

 いわゆる「信用の証」を自ら作ることが出来る気がするのだ。


しかし、私はある時ふと、おしゃれをしたくなり、今までとは相反する「白いスニーカー」を買ってしまったのだ。

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