第12話


ホームスキルが使えればなぁ・・・。


生産職特典(有料)で貰えた携帯ゲームとかで良くある自分だけの箱庭的空間、私は社会人だったし癒しを求めてたから課金に課金して、もしデスゲーム化とかしても安心(笑)、な引き篭もって生きて行ける!位に充実させてた空間があったのよ・・・マジ恋しいぃ。


キノコ改の家もまあ良いんだけど、やっぱり丹精込めて建てたマイホームの方が充実してたからね。




ほむほむほむ。


・・・私のホームってどっちかって言うと見た目南国風リゾートを意識した見た目だった筈なのに・・・この40×40×140cmの祠って何ぞや??


私の素朴で夢の詰まった赤い屋根の2階建てのお家や生い茂る丹精込めて作った畑、牛さんや鳥さんや豚さんも居るはずなんです・・・よね?


え、これ仮にスキル使用可になったところで何か確かめるのが怖いんですけどぉ・・・。


勿論、ホーム自体のボタンは今も未だ条件満たしてません表示が出たままなんだけど。


その下に派生したホーム(仮)祠ってなんぞや、の所で現在止まっております。


詳細も見れたんだけど、40×40×140cmの祠としか出ないんですよねぇ!?


選べるけどポチィ、出来ずに未だ躊躇う私が居ます・・・いやだってあれらが消えてたら私泣いちゃうよ?茫然自失だよ??


後この祠さんに見覚えが無さ過ぎて。

どちらさん?的な。


うーん、うーんと悩んでいる間に外ではいつの間にかシュビレット型のお家が乱立していてですね・・・


数日前には砂の街!感があったのにも関わらず今ではすっかりシュビレットに侵食された街、みたいになってて・・・何か罪悪感パねぇ〜・・・。

皆は喜んで元砂家ぶっ壊して植え替え?てるけど。


もう砂のお城で取り繕う、な次元超えてる気がする。


鎖国化して訪問者も滅多に来ないんだろうけど以前の街の姿を知ってる人からすれば、遠目から見たら植物に乗っ取られた街に見えてるんじゃなかろうか・・・。


栄養価が高くて魔物とかに人気だって言ってた事を後から思い出して慌てたけど魔物さん達も何か様子見ぃな感じらしく寧ろちょっと怖がってる感がある模様・・・。

あれ、避けてる?みたいな。


・・・いや、魔物も知性高いらしいから人が集団でいる所にはあんまり近寄らないって言ってたし、多分それでだよ。

特にこの街には強者が盛り沢山なわけだしね。圧。


魔物の動きは様子見らしいけど、どうなってもどうにでもなるだろって認識なの皆本当に強いんだよね。

サウロ君の


「寧ろ入れ喰い?」


には笑ったよ。

・・・そこでキョトン顔はやめて下さい。

え、ガチのやつでしたか?そうですか・・・な一幕もあった事をここでお知らせしておきます。はい。


私は数日はお家毎気づかれずにいかれない事と空に注意しなさいって言われたけど・・・引き篭もるのは得意だけど前半部分はどう気を付ければ良いのかわかりません。真顔。


皆魔物が近づけば遠くからでも気配分かるらしいし、地面から来るやつもシュビレットの本体毎いくやつはいないんじゃ無いかな説で何とか・・・只の家だったら偶にあるらしいけどちゃんと最低限の知性はあるから、他の魔物達から総スカン喰らうような事はしないんじゃ無いかな?って。


全部憶測なんだよなぁ・・・ガクブル。


アデルママは


「お隣さんだし直ぐに駆けつけるからねっ!」


って言ってくれてたから玄関のドア鍵は常に開けておこうと思うよ。


後鳥は基本人間よりシュビレット、人間を攫う時は他の魔物が暴れてて注意散漫になってる時だけなんだって。

だからよっぽど大丈夫じゃないかと言われてたけど数日は家に引き篭もる所存。

・・・基本引き篭もりなんだけども。


ああ、因みにシュビレット型お家は一々各家で育てるの面倒がった私がスキル【雨乞い】と【成長】で一気にドンと建てました。


一応種族が“土地神“にまでなったので。

MPがすんごい事になってたからね。


数字的には大丈夫だったものの、初めて一気に使ってみた感想はめっちゃ、倦るいであった・・・ゲームではMPギリまで使っても次に発動しなくなるだけでそんな仕様無かったけど、やっぱり現実となるとちょっと違うのかもね。


これ、戦闘職のプレイヤーさん達は大変なんじゃ無いかな?




——————・・・うん、良しっ。


大分話はあっちこっちにピョンピョンしちゃったけど本題に戻りますね。


悩んでたって仕方無いもん!

わからんもんはわからん。

行動あるのみっ!

で、気合を入れて“ポチッ“とな!



【ホーム(仮)祠が選択されました】

【設置場所を決定して下さい】


あ、今回はピンポン音は無いのね。


で、このちっさいシュビレットシルエットは多分私のお家の俯瞰視点映像だよね。


ふんふん、これは家付近の何処らへんかに設置可能みたい。


この世界に遠くの知り合いとかいないし、普段ならポスト置く場所に設置で良いかなあ?

私的なバランス的に。


ここに決めた!と決定ボタンを押す。


【祠が設置されました。1日1回祈りが可能になりました】


「祈り・・・」


取り敢えず見に行ってみる。ドアをちょこっと開けて確認。


ちょっと薄緑色?な感じのちっちゃい石の祠っぽい物が確かにできてますねぇ〜。


一日一回って1人1回可能なのかな?

スキル【鑑定】で要チェックだね!



【祠】

祈ると良いことが起きます。



良いことが起こるらしいです。

・・・詳細とは一体・・・。


私の鑑定さん、息してますかね?

ゲーム時代でもバリバリ使用してて、レベルカンストしてた筈なんですけどねぇ・・・。

じぃぃ・・・。


【祠】

祈ると祈りが溜まって順次機能拡張。

※詳細はひ・み・つ。



機能拡張・・・何かポイント交換みたいなやつ来たなぁ。

後、やれば出来るじゃん鑑定君。

このまま出来る奴でいて欲しいですよ、切実に。


「そんな所でどうしたのぉ〜」


私の開かず?の扉が開いた音でアデルママとラカン様登場。


折角なんで検証に付き合って下さい。


「「??」」


ちょっと大まかーに説明して順次祈ってみて貰う。


「おお〜〜」


祠の上に半透明の数字が出た。3って。

どうやら1人1回だった模様。


「あら、喜んでくれてるみたいよ?」


「何の変哲も無いがなぁ?」


2人にはこの数字は見えていないみたいだね。

まあ、スキルボードも見えてない様だしこれは想定内だったけど。


「成功、成功!って言っても結局これで何が出来るかわかんないんですけど。気が向いたらお祈りして下さると嬉しいです〜〜」


とお願いしておきます。

数字以外での変化は結局起きなかったし鑑定結果の説明変化も特に無かったからね。


「皆にも周知しておこう」


ってラカン様が言ってくれたので出来る範囲で良いので、と断りつつもちょっと楽しみな事が増えたかな。


良い事って何だろう?期待しないで待ってよう!


「ミリアちゃんは今から暇?今からちょっとお散歩行かない?」


アデルママのお誘いにチラリとラカン様を伺い見る。


「俺は今から数人の奴らと集まって会合だから遠慮しなくていいぞ」


そこで今の説明もしとくし、と苦笑気味に返された・・・てっきり今からデートかとですね。


「遠慮しなくて良いのにぃ〜、ミリアちゃんならいつでもお家にウエルカムようっ!」


それはハードルが高い。

何が、とは言わんが最中だった時に居た堪れ無さすぎてですね・・・。

だからこその今の一人暮らしなわけだし。隣だけど。


私が絶賛引き篭もり色々実験中なんで、たまーにお伺いに来てくれて気晴らしも兼ねてご近所さん散歩とか女子会とかにお邪魔させて貰ったりしてる。


・・・気遣いの出来る美女。

しかも立場的にはお妃様なんだが・・・フレンドリー過ぎるよね。

ソコが良いんだけども。


まじ此処来て良かったもん。

一般平凡日本人としては王政って何か近寄り難いし。


・・・数日様子見た結果、一回あの奇襲鳥遠目に見かけたらしいけど、即弓で誰かがぶち抜いてGET。

夕食に色を添えたって話を聞いた位でその後特に異変無し。

相変わらず、他の魔物はこっちを様子見してるらしいけど一応は警戒解除で良いんじゃないかとラカン様から外出許可(この街限定)が出ました。


・・・うんまあ、出ないけどね。

私好きで引き篭もってるので自主的に出るのは実験用の庭に出る時位かな。


アデルママが息抜きと称してたまーに散歩中に誘いに来るのは大喜びでご一緒するのですけど・・・。

私が外出時の皆の視線が大体空をキョロキョロしていたのは警戒してくれてるんだよね?

何か偶に、「夕飯、夕は〜んっ」って聞こえてくるのは幻聴であって欲しいよ・・・私は餌かな?










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