第10話
結構な長旅を経て辿り着いたザカール国旧国境・・・
本当はこっちが本物の国境らしいんだけど、他国民が砂漠=ザカール国って認識らしく数日前に通った死海モドキの泉とかオアシスの所も一応この国の物扱いらしい。
広過ぎて手に負えんが、と苦笑するラカン様に貰える物は貰っときゃあ良いんだよスタイルのダグラスさんは相変わらずこまけー奴だなぁーとバシバシラカン様の背中を叩いているよ・・・痛そうだな。
ここからもうちょっと行った所が砂漠の中心部付近でそこに皆が住む街があるみたい。
「・・・大っっっ分遠いかったね!」
「そうか?」
「まあ他の国同士よりは遠いかもなぁ」
「なんせ俺ら、辺境の蛮族だしぃ〜〜?」
げらげらげら。
派遣業撤収の為各地で仲間を拾いつつ大所帯での大移動になってました。
いつの間にか。
他国の国境付近にすぐに駆けつけられるよう常駐していた者たちも全員引き上げさせて鎖国状態にするそう・・・潔い。
「さあ、此処からが正式に我が国の領土だ!見渡す限りの灼熱の砂漠地帯、国は貧しいが皆が家族で助け合って生きている・・・我も皆もミリアを歓迎する!!」
後ろを見ても、前方を見ても見渡す限り本当に砂、砂、砂で言葉通り何も無い砂漠地帯なんだけど・・・えへへっ、改めて“仲間”って宣言されるとテンション上がっちゃうよね!
おざなりに門がちょこっと在る位のここにも一応何人か交代で常駐しているらしい。事の成り行きとか諸々の説明して撤収作業してた。
元々、砂漠地帯自体が天然の防壁みたいな役割を持つから見張りはいらなかった模様。
ここに居たのはあくまでも他国の要請にいつでも応えられるようにな配置だったらしく、常駐しなくて良くなるならそれはそれで良し、な感じで準備もスムーズだった。
・・・ラカン様と揉める人とかも特に居なかったかな。
確かに貴重な収入源は減っちゃうってか0になるんだろうけど、それでこの国の尊厳を踏み躙られたまま耐える事の方が悪だって、鎖国は納得だってラカン様にポン肩してた位
どんまい、みたいな。。
今まで報酬の為にと色々溜めてきた鬱憤とかでは怒ってたけどね。
不安は当然あるけど、数日前に降った雨でテンションは爆上がりで、さらに私の雨乞いの影響だと知ってこの場でもちょっとわっしょい!な胴上げされた。
恥ずかしさを我慢してでもやって良かったよ・・・でも今、煽てたからってやん無いですけど!
そんな捨てられた子犬みたいな器用な顔されてもやだもんっ、ステイっ!!
ちょっとわちゃわちゃ周りの人とやってたら、大笑いのダグラスさんが
「がはははは、まあ貧しいけど国も土地も皆のモノ!勿論、ミリアのモノでもあるぜ!!」
って大声で改めて宣言してくれて私の頭をいつも通りにガシガシ、頭揺れ揺れに皆で大笑いしつつ一緒に門を潜った瞬間———・・・
――――――ピッポーーーーーンッッッ――――――♪
「へ?」
【国の主及び国民より許可を得ました】
【自分の土地を入手しました】
【太陽神が承認しました】
【制限が一部解除されます】
【ホビット族が妖精族に進化しました】
【妖精族が精霊に進化しました】
【皆からの祈りを確認、今までの行いを精査しました】
【精霊から緑の精霊に進化しました】
【緑の精霊から大精霊に進化しました】
【太陽神の承認により大精霊から土地神に進化します】
何か突然怒涛のアナウンス来たーーー!!!
制限解除で育ててた進化先の精霊が開放されてキャラ特性の黒くなってたスキルも使えるようになったのは胸熱ですけど、色々ツッコミどころががが!!!
太陽神って誰?とか、承認って何を承認されたのかとか、精霊の次の進化先とか知らない子でしてね・・・私の事なんですけど!みたいな?
周りはアナウンスが聞こえてないみたいで普通にくっちゃべってるこの温度差よ。
種族変わってもキャラの見た目には特に影響は無いのでサイレントで進化を終えた。
ホビット種って初期キャラだからこのままだったら正直スキル制限キツくて砂漠地で畑は無理かもなーと思って正直不安だったんだよねぇ・・・。
種はあるけどもう追加で手に入らない物も多くて無駄に出来ない=試行錯誤できないだったから。
精霊から先の子は未知数だけど精霊までのスキルも見事ロック解除で使える表示になったから生産チート出来そうで良かったよ〜〜・・・食はマジ大事だもん。
私頑張る!
「おー?何か一人百面相してんなとは思ってたけどイキナリご機嫌になったな?」
他国境付近待機で途中合流したガチムチイケオジのラーガスさんに頭がしがしやられてあーーーってなる。
・・・ダグラスさんのガシガシを予想して身構えてたんだけど、結構子供の扱いには手慣れてる感じのガシガシに思わずラーガスさんを見上げる。
「ん?」
イケオジの、にこっ。を頂きました〜〜!
進化とかで自然と足がルンタッタしてたみたいでサウロ君も口元ムググッって笑いを堪えている。
笑いたいなら笑いたまえ?
聞く所によるとラーガスさん、サウロ君のお父さんらしいよ。
サウロ君、お母さん似らしいから全然気付かなかった!
次いでニコニコとサウロ君の頭を撫でるラーガスさん親子にちょっとほっこり。
久々に会ったらしいからね。
戦いの時に親と子が一緒だとどちらも本領発揮出来ないどころか、足を引っ張る事態にもなりかねないから遠征グループは別々にするらしいよ。世知辛いね!
いつもお兄さん風吹かせ気味なサウロ君はやっぱりお父さんの前では幼い子供の顔してたよ。にっこり。
・・・取り敢えず落ち着いて考えられる所に移動したいけど、ここまだ砂漠だからなぁ。
じっくり能力チェックしたいのよ。
ざっと見た所、使えない一部って土地のカスタムとかホーム機能とかなんだよね。
山を築いたり、川を流してみたり出来る、土地を俯瞰視点で操作する奴・・・これが使えたらさぁー、一気に色々楽になるのになぁ。
選択出来ない黒いところを注視してみると
“使用条件に達していません”って出るんだけど。
コレ、何らかで条件クリアすれば使えるようになるって事??
コレさえ解放出来たらマジチート来ましたわ〜、小説とかでよく見るオレTUEEEEE!が出来るのにぃ・・・。
条件、マジ気になるぅ〜〜けど、これ以上は教えて貰えない模様・・・こんな時こそ、※印の出番なんじゃないんですかね!?
・・・じぃっと注視してたけど結局出なかったよ。ちぇっ、残念〜〜。
スキルとか種族進化で1人静かに大興奮してたら
「そんな変わり映えしないのに大興奮だな〜」
と勘違いされてました。
・・・いやいや、違います違います。
領土に入ってもまだ建物すら見えない砂地だから流石にこれだけで興奮はしないって!
・・・でも説明難しいんだよなぁ・・・スキルとか進化とか言われてもこっちの人にはさっぱりだろうし。
「ミリアちゃん、ほんっとーにっ可愛いんだからっ!!」
アデルママのプルプルおぱーいっにギュギュッと抱き潰されて、それまでの私めの思考はあっという間にピョーンっと、どっかに飛んで行きました!
良いです良いです、其れで。
いくらでも生温かい目で見てください、はい。
アデルママの胸の中でうっとりしてる間にキーラ達バディが頑張って爆走してくれたお陰で無事皆の家がある領地まで辿り着いてたのには・・・記憶にございません状態だったけど・・・。
いや私、どんだけよ・・・と自分にドン引きしたのは内緒である。
黙ってればバレないので。うん・・・バレてないと良いなっ。
「ここが皆の住んでる城下街だな!」
へへんっ、と得意気なサウロ君に私も横で大興奮ぴょんぴょんする。
「わあぁっ、凄い凄いっ!砂のお城だぁ〜〜!!」
どでかい砂で作られたお城に超感動!!
「ミリア、ミリア」
「違う違う」
「こっち、こっち!」
ふらりとお城へ一歩踏み出した所に皆からの総ツッコミが??
はて・・・違うって、何が?
「あそこはねぇ〜、他国の人が来た時に使う用の建物なのよぉ〜」
「あんな無駄にでかいとこ、管理むずいだろ?他国の使者とかが来た時には皆総出で掃除して使うんだけど普段は放置してるんだよな。だから外だけ立派なんだよ」
アデルママとサウロ君の苦笑い付き説明にちょーっとがっかりした私が居ます・・・。
だって、ネットとかでいつか見た砂場アートなトンガリ塔がいくつも並ぶ砂のお城そっくりだったからね!
小さいながらもあのクオリティーには画面越しに凄い!と思って見てたけど、こっちのはそれが、どでかいバージョンで建ってる訳だから余計に。
でも確かにな、と思ったり。
国王自ら貧乏って堂々言い切ってた上に自ら戦いの最前線に奥さんまで連れて王様が赴いちゃってるのに、こんなにドデカイ城なんて普段使いしてる訳ないよね!
・・・と理屈では納得は出来たんだけれどもぉ・・・。
・・・でもでも、上げて落とされたようなガッカリ感はやっぱり否めなくて、超複雑な心境だよぉ〜!ジタバタ。
他国の人が来たら体裁を整える為に中に物を運び込んで偽装するらしいから興味あるなら今から中見学しても良いけど中ガランどうだし長年そのまま放置してるって説明に私断念。
長年放置してるから中多分砂埃ヤバイんじゃ無いかな、って言うサウロ君の小さな呟きを聞き逃さなかったので。
鎖国宣言もしてたし今後があるか分かんないけど、中を整えた時に1回じっくり見学させて貰おうと思うよ。
で、肝心の皆の家はと言うと、この一見城下街に見える街の一軒一軒がそれぞれのお家らしい。
皆真四角の砂ぁ!な家だった。
感想?
意外と硬いなぁ、位かな・・・それ以上の特徴とかは特に無いし。
皆があっさり現地解散でそれぞれのお家に帰っていく中、私はアデル様に連れられてこれまた周りと同じ規格のお家にただいま〜しました・・・王様って、何でしたっけ?
勿論中も普通の家・・・いや、外国を旅してホームステイする番組で見た気がする土ぃ、な床に直にマットとか敷いてある系の海外あるある系部屋だったよ!
うむ・・・マット敷いてても固いな。
そして、ラブラブな夫婦2人と共に暮らす勇気は私には無い訳でしてですね?
まあほら、旅中はノーカンじゃん。
魔物の出る環境に、テント越しとは言えど周りにはすぐそこに他人が常駐する状態だったからそんな雰囲気にもならなかったかも知んないけどさぁ・・・ここは所謂2人の愛の巣な訳じゃん?
で、2人にはまだ子供が居なくて今後は長期間の遠征もなくなる、と・・・。
早々に私の家建てる用の土地、頂戴?とおねだりしました!
何か、プレイヤーの人に呼び止められてた時に言ってましたよね!?
私、生産職!土地さえ貰えれば後はどうにでもしてみせるっ!!キリィッ。
「え〜〜」
と、アデルママに少々ごねられましたけど、私が断固譲らなかったので妥協してこの家の隣の敷地を確保しました!
「でもぉ〜、家が建つまではここで一緒に暮らしましょうね〜〜」
には渋々頷きました・・・ハヤクシンキョヲツクラネバ・・・
マッドなスキルを駆使して、数日で家の種を完成させました!
だってさぁ、寝る時アデルママと意外にもラカン様も希望して、3人で川の字でオネムするんだよー・・・遠い目。
ワタシ、オサナゴチガウ・・・。
「種?」
そう、種ですよ。
あのいつか使おうと持ってきてたシュビレットを早速魔改造しました!
砂地に合わせるならこれが相性良さそうだったので。
言うて、ゲーム時代に作ってた既存のキノコ家の種にチョチョイと組み込んで作っただけなんですけどね〜、へへっ。
アデルママとラカン様が困惑顔で見守る中、貰った土地の真ん中にスコップで拳大位になってしまった種を埋めます。
そこに生活魔法で水をまあまあドバドバとかけまして。
ちょっと離れた位置に移動して、スキル【成長】を使います。
・・・これは、あの、イワクのお遊戯シリーズですよ・・・ふふっ。
・・・今回の踊りは⚫︎ブリの有名作品、隣の⚫︎トロで出てくる畑の芽が出る事を祈る踊りですね・・・パクリでは?とはゲーム時代も思ってたけど誰も指摘して無かったんだよね・・・何でだろ?
今日は見学者2人だけですし、まあもうあんだけはしゃぎ倒して、あんだけ感謝されたらもう良いや、な心境に至ったので、特に見ないでな注意はしませんでした・・・どうせ、見られる。達観。
芽が出ろな動きで、ニョキっと芽が出てどんどこ縦にも横にも成長していきますよ。
ふんふんっ、と今回はぐるぐる回るような踊りでは無く、その場固定での踊りだったから視線はニョキニョキ面白い位のスピードで生える見た目完全シュビレットドデカバージョンに私の目は釘付けだよ!
ニョキっとする動作で植物もニョキっと伸びるのがまじ面白過ぎる。
だからミリアは気付いてなかった。
後ろで見守ってた美丈夫2人が、例の如くキラキラお目目で真似してニョキっと踊りをしていた事を・・・。
そしてそのまま気付かないまま踊りは終了した。
ふぅっ、やったったぜな感じで額を拭うミリアは多分今後も一生気付かないであろう・・・残念無念。
「完成〜〜」
ドデカバージョンなふっとい幹部分がお家部分です。
先っぽに付いてる実の部分はちゃんと食べられますよ、ドヤァ!
・・・私は食べんけど。
食べたかったら勝手に収穫して下さいなスタイルで。
幹部分にはちゃんと可愛らしいドアが付いてます。
「えー、何これ何これ!」
「勇者って凄いな・・・」
アデルママは私のお家にきゃっきゃと大興奮、ラカン様は何か勇者を勘違いしてそう発言してましたか?
・・・ですけどここには私しかいないので、そう言う事にしておきます!
・・・決して説明が面倒とかでは無いですよ?・・・多分。
「中見た〜いっ!」
と言うママの可愛いリクエストにお応えして、お家に早速ご招待!
・・・何か興味津々に集まってくるご近所さん達には取り敢えず気づかなかった振りで2人を中へ早々に押し込———・・・じゃない、ご案内した。
元はキノコを改造して作った家だったので中側はキノコ仕様です。
壁とか床のキノコ特有のフニフニ具合にアデルママ、大喜び!!
あ、当然靴は玄関で脱いでもらう仕様です。
そこは譲れないよね、やっぱ日本人だし。
「凄い、凄い!床がフニフニしてて超気もちぃ感じだね!ミリアちゃんは天才ねぇ〜〜」
とベタ褒めな上、超絶賛してくれました!でへへ。
素足な分、ダイレクトにキノコの感触が気持ち良いのだ。
中はこれから整えていく予定でまだ何にも入れて無い真っ白空間状態だけど、出来た家の広さはまあまあの大きさよ。
玄関入ってすぐがリビング、その先にはまた扉が付いてて1つは個室、もう1つは水まわり・・・トイレとかお風呂とかのお部屋でちょっと広めになっているよ。
ここからもうちょっと改造して水廻り系はしっかり整えていくつもりである!
お風呂、入りたいっ!トイレのボットンは衛生的に無理ぃっ・・・な、我慢できない我が儘な私が通ります!
・・・幸いね、匂いは乾燥地帯だからか、した直後くらいしか臭わんのだけどね?
日本人の私が絶許だから、改造は絶対する。うん。
「ミリア」
「はい?」
「正直図々しい事はわかっているのだが・・・これ、量産して売ってくれないか?」
ずっと眉間に皺で黙って考え込んでたラカン様からの提案は売って、とは言ったものの肉や塩やらと交換になると思うと言う提案だった。
ラカン様、超申し訳無さそうで心苦しそうだったけど
「良いですよ〜〜」
と2つ返事でオッケーです。
これぞ、適材適所ですからねー。
私は生産で、皆は私に出来ない事で物々交換って事ですもんね!
タダでクレ、とかはNGですけど等価交換なら大歓迎である。
私もお肉、食べたいからね。
「後、素材の交換とかも追加でお願いしまーすっ」
何に使えるかは貰ってから考えよう。
後例え使え無くても私、コレクターなので。
未知素材でも素材ストックは趣味なので。
どんどん持って来て貰っていいですよ。
1つに付き、999個ストックが基本な私です。
気付かない振りぃーしてましたが・・・窓にへばり付いて中を覗く皆の目がキラキラ超えてギラギラなのが怖いです。
そっと、アデルママの影に隠れます。
1つ作れば量産は直ぐに出来るので早々に複製品、作っちゃいました。
外からの欲スィ〜圧力が怖くてですね・・・。
なのであの集団にはラカン様が対応して売って下さい、というお願いにはある意味にっこり笑顔で外へ出て、解散宣言して来てくれました!
後、物々交換の説明もしてくれた模様。
早速皆外へ魔物狩りへ出掛けていきました。
うむ、行動が早いな。
「私今から内装作り込みたいので篭りますね」
宣言と同時に大量の量産種を譲渡します。
後のことは全てラカン様に丸投げ・・・じゃなかった、お任せしますので宜しくです、しました。
皆に囲まれながらの物々交換、適正レート分かんないし何よりめんどいのはちょっとね。
任せて良いなら任せたい、全部。
「ありがとうな」
「私達も直ぐ狩りに出発しましょうっ!」
とお2人はミリアの頭を交互になでなでした後は———ピュンッとキノコ家?シュビレット家?を飛び出して狩りに行かれた模様・・・このフニフニは癖になるからねぇ〜と足の裏のフニフニを楽しみつつ、でも存外の家はどうするんだろう?と思ったり。
・・・まあ私がこんな事考えた所で答えなんて出ないんだから切り替えて早速DIY始めますかっ、と腕まくりした。
これからが生産職にとって一番楽しい所!とばかりに連日徹夜したのが皆にバレて説教されたのは・・・まあ、致し方無いのだ。
「ミリア、聞いてるのか?」
にっこり。
「はいっ、ごめんなさい!もうしないです、ごめんなさいっ!!」
説教は超、怖かった・・・思わず正座で聞いちゃったもん・・・ガクブル。
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