第8話



きっちり全部の肉食べ祝った後に、まさかの怒られタイム発生。

美人や美丈夫さんがガチおこするとマジ怖だった。


・・・因みに今後はまず説明からしろ、と怒られました。

まあ、毒だと思ってた泉から出た白い粉をいきなりペロリした私が悪いので説教には甘んじました。

愛ある説教だったので。


でもその後頭をなでなでされて


「良くやった」


とも言われたのでデヘヘのへであった。ふふん。


このエンちゃん、口の中を空にした後また水やりすればエンドレスで塩を採取できるのでラカン様に献上しといた。

さっきは感動で男泣きされてたので未だ私の手元にあったので改めて渡したのだよ。

是非有効活用して下さい。


因みに


「ラカン様は扱いが大雑把ですから」


と、ホセさんに直ぐに取り上げられていたけどね。

ラカン様、一応国王様な筈なのに皆からの扱われ方雑な件。


まあ特殊な、厳しい環境の中で助け合って生きる国ならではだよね、こんな皆が上に一切遠慮しないフレンドリーな関係性って。

日本に住んでた私にはとても合ってる環境だと改めて思ったよ、うん。


因みにエンちゃんは1つだけだけど、マッドなスキルで別の物体はいくつか作り出し済みである。

見た目の形は何故かそっくりだけどそれぞれ色が全然違うし、残る成分も違う奴ね・・・何とか土以外を抽出しようとやっきになってた時期がありましてですねぇ・・・。


それらも試しに使ってみて私は38号で作った塩が一番無難で好きだったよ。

美味しい塩はねぇ、ソレだけで美味しいから料理する時にちょっと邪魔だったのだ。

単純に肉に振りかけるとかの料理に使うと輝くんだけどさ。

ちょっと癖強なお肉も癖?何それ??な位、美味しくなるみたいなね。


エンちゃん以外の使えそうな種も厳選して献上しときました。

鉢植え付きでな。

コレ無いと育たんし。


因みに実験体68号でとうとう成功して、泥水とかからでも綺麗な水が抽出出来る植物作れた時はやったったぜ感が凄くて・・・脳汁、どばーだったよ。ふふふふふ。


塩湖で試したら塩どっかにいっちゃってたのは本当謎なんだけどね。

塩の時も感激されたけど、真水抽出された時の皆の感動の方が一押し!だったのはまあ砂漠あるあるなのかもね?

近くのオアシスも年々数が少なくなってたらしいから。


皆に凄い感謝されて、アデルママからは喜びの高い高いと顔中ちゅっちゅを再び頂いた。ゴチ!


憂いがちょっと晴れたのと鉢植えの中だとしてもエンちゃんがぐんぐんにょきにょき育つ様を見て、ちょっとのお情けと国のご都合で引き取っただけだったけどコイツ実はかなり凄い奴なんじゃね?感をひしひしと感じる今日この頃ぉ。


まあゲームキャラのまま転移なんでチートではありますよね。

しかもアイテムもそのまま持ち込めた事は大きいよ。

マイバッグには日本人の愛してやまないお米様もちゃんとあるので!慎重に育てていきたいと思ってます!!


「異世界勇者様って本当に凄いんだな〜〜」


としみじみサウロ君に言われたので


「いや、私巻き込まれだから。後戦闘はマジ物理的に無理だし」


と即否定。

中身の日本人は精神的に戦闘とか拒否感パないし、そもそもこのキャラの仕様が生産特化の代わりに戦闘行為が一切出来ない仕様なのは・・・本当助かったよね。


死んでれば包丁で解体とか料理は出来るんだけど。

オフライン限定の種族だからオンラインでは知らない人の方が多い。

・・・それもNPCに間違われた要素ではあると思う。

オンの方のNPCキャラでは居たからね、この種族。


オフの方でも人気無かったんだよね。

まあRPGの世界なのに戦えないし、全部の生産職を極められる唯一のキャラだけど裏を返せば器用貧乏で特別な一品を作り出せるようなキャラになるには膨大なスキルポイントやレベルが必要で育成が難しいと敬遠されてたからね、うん。

しかもいづれは、なれるかも?な決定的な事は何も明かされて無かったキャラだから。


私はそんなガチ勢では無かったし、色々手を出してみたかったからホビットを選んだ。

コレはこれで優秀なキャラだと思うんだけど、まあプレイヤーにはマジで人気無かったよ。


・・・話を戻して戦闘不参加って具体的にはどうなんのかって話なんだけど、まず魔物に認識されない。だから襲われない。

そして生きててバディとか畜産動物の様な友好生物以外には接触できない。

なんか、スカッって通り抜けるんだよね・・・ゲームっぽいっしょ?

襲われない代わりにドロップ品もゲット出来ないキャラなのよ、ホビットって。

だって一撃も入れられないからね。

そういう生産がしたかったら材料は買うしか無くて、ソロには厳しい仕様だったなぁ・・・。


遠い目をして黄昏れてたらサウロ君が


「あ〜〜・・・あの謎仕様なぁ・・・」


と言いつつがっしがっし頭を撫でてきた。

話は事前にしてたけど実際見てみるとマジ不思議現象だもんね、私の体質。


同情有難う?因みに攻撃判定では無いので首がぐいんぐいんしていてですね・・・もげそうです。はい。


この砂漠地帯、主には砂の下からの攻撃が多いんだけど偶に空からの奇襲もあって一番弱い私を当然狙って来る訳ですよ。

・・・ワタシ、オイシクナイヨ?


滅多に出ないらしいけど、この地帯にヤバい魔物が数匹いて運悪くその内の一匹と遭遇、しかも隠密行動に優れたタイプだったみたいで攻撃されたんですよね。


皆が「あ!」ってなる中のあのスカッ・・・は中々居たたまれなかった・・・すまんこってす。


いや、ゲームではそういう仕様だったけどコッチじゃ本当にそうなるかとかわかんないじゃん?試すとかも無理だし痛いのやだし。


で、皆がお守りしてくれるのを良いことに黙ってましたが、ちゃんと仕様が引き継がれてたみたいで本当に良かったよ!

内心、凄い安心した!


あんまりにも不思議だったのか、皆には突っつかれまくってコネクリ回され・・・攻撃じゃないから只ただツンツンに耐える謎時間だった・・・を経て、周りにこんな感じなんだ、と周知されて戦闘中も皆が戦闘に集中できる様になりましたとさ。

うむ、チート万歳!!

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