第18話 狂気の囁き
昼休みに入って──
──
もう見るのはやめようと思って、更新通知もオフにしていたのに……やはり、気になって仕方がありません……!
「やっぱり、更新されてる……」
画面にはあのシルエット。モザイク越しでも見慣れた制服がわたしの不安を煽ります。
そして彼女は言っていました。
「……誰にも渡さない」
「わたしだけを見ていればいいのに」
「他の女と親しくしているなんて……」
「絶対に許さないわ……絶対に」
そんな狂気じみた台詞が漏れ聞こえるたび、心臓がきゅっと締め付けられる思いです。
「これ……本気で言ってるんですか……? ルリ先輩……」
もはや頭を抱えたくなります。まさかここまで過激な発言をするなんて……
下手をしたら、ルリ先輩が包丁を鞄に忍ばせているとすら思えてきます。この動画の台詞は、それほどまでに鬼気迫っていました……
だからルリ先輩の意中の相手が、颯太先輩だとしたら……
わたしは思わず立ち上がります。
いてもたってもいられなくなったのです。
(我慢できない。せめてこの動画は、颯太先輩には伝えないと……!)
もう、ルリ先輩のプライベートを気遣っている場合ではないでしょう。
ルリ先輩が実力行使に出る前に……わたしは走り出しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます