第8話:平安時代にタイムスリップ。

「って言うか、揚羽ちゃん・・・平安時代へ行くのはいいけど、その時代に

だって英明さん以外にも陰陽師いるでしょ?」

「その人たちで屍鬼麻呂しきまろを取っ捕まえりゃいいんじゃないの?」


「無理です、力の差がありますぎます」

「屍鬼麻呂を止められるのは英明様と蘆屋道完あしや どうかん様しかいません」


「そうか・・・英明さんは緊縛状態で動けないんだよね」


「緊縛ってなに?・・・ヤラしいプレイみたいじゃないですか?」


「え?揚羽ちゃんそういうの知ってるの?」


「知ってます・・・平安にもそう言う趣味のお方って言うか変態いますから」


「分かってるなら話が早い、その件は事が終わってから相談しよう揚羽ちゃん」


「なに、考てるんですか変態・・・スケベ」


「はいはい、正解・・・それよりさ、その蘆屋道完さん?」

「その人に頼んで出張って来てもらったらいいじゃん」


「それがダメなんです・・・英明様と道完様、陰陽師の中で一番は俺

だってお互いの存在を譲らない関係ですから、私たちのために動くはず

ないんです」


「それって先入観でしょ、なんでも頭を下げて誠意を示せば大概の頑固おやじ

でも、ほんじゃまあ、って強力してくれるかもよ」

「なんでも真っ直ぐにぶち当たれば願いは叶うってか?俺みたいに・・・」


「御門さん・・・なにかしたんですか?」


「あれま、俺は揚羽ちゃんに真っ直ぐ気持ちを告ったでしょうが?」


「誠意は感じられませんでしたけど・・・エッチしたいってばかりで」


「そうだよ、それが俺の正直な気持ち、その気持ちを揚羽ちゃんにぶつけた訳・・・」


「もういいです・・・黒翔こくしょう・・・平安へ帰りますよ」


「あの、揚羽様・・・この殿方は?」


「あ〜俺は揚羽ちゃんの彼氏です」


「もう・・・どこまで図々しいんでしょ」

「この人は彼氏でもなんでもないです・・・まだお友達でもないですし」


「え〜一緒に屍鬼麻呂を探した仲じゃないですか?」

「今更、友達じゃないなんて・・・それひどいな〜揚羽ちゃん」


「だって・・・」


「約束したでしょ?・・・屍鬼麻呂とっ捕まえたら彼女になってくれるって」


「そうですけど・・・・御門様、放っておくとどんどん先走っちゃうんですもん」


「じゃ〜このへんで止めておくから・・・」

「平安へ行ったら、俺が道完ちゃんを説得してあげるからね・・・」


な訳で、俺と揚羽ちゃんと黒翔ちゃん・・・くんは古井戸を通って平安時代に

タイムスリップした。


平安に通じてる井戸はなんと安倍 英明の庭の井戸に通じていた。

こんな場所に井戸があったのか?

ってことは大学は安倍英明の屋敷の跡に建ってるんだ・・・なるほど〜。

ひとつ歴史に詳しくなったぞ。


「御門様、なにをボーッと感慨にふけっておられるのです」

「行きますよ」


屋敷の中に入ると安倍 英明さんらしき人物が体を横たえて三人くらいお姉ちゃんを、そばにはべらかせて酒なんか飲んでいた。


「甘露、甘露・・・」


「揚羽ちゃん・・・あの人は?・・・」


「英明様・・・なにをなさってるのです?・・・金縛りは?」


「お、揚羽・・・帰って来たのか?」


「はい、成原 屍鬼麻呂なりはらのしきまろがまたこちらに逃げ

帰ってると黒翔からの知らせを聞いて・・・」


「ご苦労だったな・・・屍鬼麻呂はとっくに捕まったわ」


「え?捕まった?」

「どうやって屍鬼麻呂を捕まえたのですか?」


「道完が出てきた・・・あいつも自分より強いなんて男は許せなかった

ようだな・・・道完はプライドが高いからのう」


「ちょちょいと屍鬼麻呂をつかませて、わしの呪縛も屍鬼麻呂に命令して

解いてくれたわ」

「今回ばかりは道完に借りができたのう」


「揚羽ちゃん、道完さんに真っ直ぐぶち当たらずにすんだね?」


「そうみたいですね・・・私たちバカみたいじゃないですか?御門様」


「そうだけど屍鬼麻呂とバトルしなくて済んだんだからいいんじゃね?」

「それにこの話書いてるヤツ絶対バトルシーン苦手なんだよ」

「だから省いちゃったに違いないんだ」


「横着な方なんですね」


「揚羽・・・そこな男の子おのこたれじゃ?」


「あ、この人は御門 万平みかど まんぺい様って方で、今回の屍鬼麻呂

討伐に力をお貸しくださった方です」


「ほう・・・もの好きな・・・」


「どうもはじめまして御門 万平です・・・揚羽ちゃんの彼氏です」


「まだ言ってる・・・」


つづく。







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