第2話

年に二度の人事異動





出世株でも何でもない私にはそんなに関係のない話で



変わってしまう人の良かった上司には少し名残惜しい気持ちで見送ったのが4日前




今日から新しい上司が着任するという事で企画課一同、外出する者は誰一人居ない



新しいボスをお出迎えする為朝からデスクに張り付いてた





「おはよ~市原ちゃん」



「おはようございます佐伯孝介」



「だから・・なぜフルネームなの?」





毎度の如く交わされる会話にうんざりしながらその時が来るのを待っていると




「俺、異動願い出せば良かったなー・・」




企画命で頑張って来てた佐伯孝介が少し憂いを帯びた顔でそう言った





「どうしたんですか?」



その顔がいつもより少しだけ真剣そうに見えたから声を掛けたら




「んー面倒臭い気がするから」




何ともふざけた返事が返ってきたのでそれは無視した

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