第8話 優秀な機械人形
僕に押し掛け弟子が出来た。
「師匠!私が得意の照明魔道具作るので、ご指導願えますか?」
積極的なのは良いが、裏の素材山ではフランソワ製作出来ないだろう。
「素材はどうする?」
「素材は間も無く家から届きます」
「家から?家は近いの?」
「少し遠いですが家の馬車が届けてくれます」
「馬車って、フランソワの実家は商家か?」
「違いますわ、私の名はフランソワ・エンディ、二男二女の末っ子で父も魔道具師を目指す事賛成して下さいました」
「家名持ちって・・・エンディ?男爵様の関係者か?フランソワは」
「男爵家の末っ子ですわ」
「ひぇえ~!お貴族様!」
僕は条件反射的に土下座してしまった。
「やめて下さい、偉いのは父エンディ男爵で、私は師匠のただの弟子ですわ」
そんな事言われても、フランソワの正体知ると対応に困るぞ!
工房横の駐車場に馬車が止まった。
「素材が届いた様ですわ」
力仕事をフランソワにさせる訳に行かない!僕は表に向かった。
店舗入り口の左側少し奥まった所に、住居用玄関が有り邸宅横の空地が駐車場だ。
少し離れた場所なので走って行くと、大荷物を抱えた機械人形がやって来て、僕にペコリとお辞儀した。
「重いだろ?僕が半分持つ」
機械人形は首を横に振り、魔道具店の入り口に向かった。
「ロゼ、ご苦労様!これで全部?」
フランソワの問いに、ロゼと呼ばれた機械人形が
言語機能は無いようだが、随分優れた性能の機械人形だ。
魔道具工房でロゼと呼ばれた機械人形がキョロキョロしてる。
「素材はそこの空いてる場所に置くと良い」
僕が指示すると、ロゼは大荷物をそっと置いた。
機械人形が、素材を大切に扱う態度に感心した。
「フランソワ、随分高性能の機械人形だな」
「私の魔道具製作パートナーですわロゼは」
「魔道具製作の相棒が出来るのか?」
「ロゼは優秀ですわ」
ロゼは大荷物から照明魔道具用の素材を取り出し、製作し易い順に並べて行った。
フランソワの実力がどの程度か、僕は何も言わず製作手順を眺めていた。
これでは、普通の照明魔道具しか出来無いだろうな。
製作は慣れている様だが、予想通りフランソワが完成させた照明魔道具は普通の物だった。
僕はフランソワを誉めて伸ばすぞ!
「良く出来てる、魔力注入型魔道具、手慣れて居るのが良く分かった、見習い魔道具師とすれば高位だ!」
「師匠!正直な所を仰って下さい」
僕は無言で照明魔道具の素材を並べて。
「この順序で組み立ててごらん」
「順序が全く違いますね?上手く出来るかな?」
フランソワは2時間以上掛け、完成させた。
「出来上がった照明魔道具に魔力注入してご覧」
フランソワが魔力注入すると、照明魔道具は
「わ!わわぁ!!これ本当に私が作った照明魔道具?」
「製作手順変えただけで、結果は凄いだろ」
「はい!!師匠はやはり凄いお方ですわ!」
「この手順は
「はい師匠!有り難う御座います!!」
「フランソワ、間も無く日が暮れるぞ、帰った方が良い」
「えっ?私ヒロ師匠の弟子でしょ?住み込みさせて下さい!」
「いやいや、お貴族様のご令嬢が外泊したらダメだろ?」
僕は断るの下手、弟子ですから師匠のお世話もさせて下さいって押し切られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます