絶望の縁で生きる僕と、君がくれた春の息吹

とある。

第1話




「逃げたいよ、いなくなりたいよ、消えたいよ―――」







「死にたい―――」



僕は、去年から、そんな言葉を口にするようになった。



そんな僕の周りからはあらゆる友人が消えた。大切な人が、眼の前に見えなくなった。



こんな僕が、生きている意味ってなんだろう?



 今日もまた、電車が目の前を通り過ぎた。この瞬間に飛び込んでしまえば、全部終

わるんだろうって考える。でも……何もできない。ただ、流されるみたいに毎日をやり過ごしているだけだ。



「祐介くんは、社会にとって必要だと思うよ。だって、こんなにもつらい状況なのに頑張っているんだもん。私が同じ状況なら途中で逃げ出しちゃうよ。だけど、そんな逆境からも逃げ出さずに、学校の先生になりたいっていう夢を追いかける祐介くんはとってもすごいよ!」



「死にたいって思うほど辛いなら、無理して生きようとしなくていい。でも、もしどこかに少しでも救われたいって気持ちがあるなら、それだけは手放さないでほしい。それが、いつか君を助けるはずだから。」


彼女が言った。彼女は今生きている中で唯一、親友以外で信頼できる人だ。

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