殺戮のケモミミヒーラーは人助けがしたい
三津熊人
第1話血煙と鬼面
絶体絶命。
紫紺の鬼面を被った小柄な少年が直面しているのは、まさしくそんな状況だった。
薄汚れた
彼らは冒険者。
鬼面の少年もまた彼らと同類だった。
紫紺の水干に黒袴姿。小柄な身の丈以上の
鮮烈な花火を散らしていた攻撃が止み、飛び退く彼らと入れ違いに燃え盛る火球が殺到。太刀の切っ先を膝下に向け防御。爆炎が閃き、一瞬で空気が蒸発する。
「やったか…………?」
誰かが呟く。しかし、家屋が崩れ
「くっ 【
結界術式とは少年のような
「畳み掛けろ!」
「おうさ!」
前衛三人が再び
余りの光景に、
誰か回復を。その場の誰もが後方に控える癒し手を振り返った時、視線の先で青と白の
視界の端で破裂音が響いたかと思えば、同じく
ここまで来ると当初の連携はズタズタに引き裂かれ、逃げ惑う彼らを少年の飾太刀は無慈悲に食い散らかす。攻撃の瞬間に展開される障壁ごと相手を斬り伏せていった。少年に向けられる攻撃は全て障壁が防ぐ。
「うわあああああっ」
「ヒィイイイイイイッ!」
恐怖に顔を引き
そこはもう、猛獣が放たれた
「…………」
少年は鬼面の下で口を
やがて悲鳴が止むと、少年の三倍はある
口から滴る鮮血は、少年の指示によって屋根の上から狙撃していた弓使いたちを殺して回っていた何よりの証拠。
「うん。ご苦労様」
優しげな声で額を
血煙と怨念を
故に、他人は
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