第6話 記者会見前① (第三者視点あり)

>>配信者のにゃむこSide


 今日の東京は雨、こういう日は髪の毛がジトジトして好きではない。


世間では、先日の件を色々と言いたい放題をしている連中が多い。


片方では武庫之荘仁美むこのそうひとみを私を攻撃したと糾弾する人間、または私を救助したと褒める人間。


私は3日間事務所にずっと缶詰状態であるが、配信は許可されているので配信をしている。


『にゃーこ、猫民、元気にしている?今日は事務所から配信にゃ』


っと挨拶をすると


≪にゃーこ、事務所配信≫

≪生きてて草ww≫

≪にゃーこ、猫は死ぬと尻尾が増えるって本当ですか!≫

≪にゃーこ、記者会見準備出来ている?≫

≪にゃーこがザ・スターの社長に、全裸土下座して枕したって本当ですか≫


『まだ、詳しくは言えないけど、数時間後に、生中継で全国に真実が流れるから楽しみしていてにゃー』


 本当に世間は勝手である、ある記事では私が死んだことになって居るし、ある記事ではザ・スターの社長に、全裸土下座して枕した事になっている。


 一部では私が所属するザ・ムーン内でも私の事が嫌いなアイドル達が自分のスキャンダルを隠蔽する替わりに私の情報を積極的に週刊誌に売っているという話もチラホラ聞こえ始めている。


『事務所に缶詰だと色んな情報が流れて来てイヤになるにゃ』


≪にゃーこ、事務所の内情を知り愕然ww≫

≪オラ、暴露しろ≫

≪暴露しろ、暴露しろ≫

≪ザ・ムーンだけに月の裏側はボコボコってかww≫


 言い得て妙である、私たちアイドルは地球側から見るとは綺麗で人々に憧れという幻影を与える月である。だが、見えない側は穴だらけのボロボロであると……。


「にゃーちゃん!タクシー来たって!記者会見に行くよ」


 私はマネージャーの声に我に返ると腰を上げるのであった。

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