メイドと坊ちゃまと坊々ちゃま ~おねショタ愛と欲望うずまくハウスキーピング~

可憐超級書房人

1章.坊ちゃまの御帰宅

 今日は部活がないので早々に帰路についた。

 明日になったら「ボクは部室に来ていたのに君は来なかったよね」と部長に愚痴られるんだろうけど気にしない。

 あの人、なんで毎日部室に来るんだろ。


 家にはメイドがいる。というよりメイドしかいない。

 幼い頃に親に先立たれ、そんな僕を引き取ってくれた叔母も既に身罷(みまか)った。

 今は叔母に仕えていたメイドと二人暮らしをしている。


 やってることは家政婦なんだけど、メイド服を着てメイドを自称している。

 僕の育ての親であり姉でもある。

 子守担当のメイドをナースメイドと言うらしい。

 今だと看護師の意味で使用されているけれど、そもそもナースとは乳母を指していたので、その観点からも「やはり私はメイドでございます」とのことだった。


「ただいま」

「お帰りなさいませ坊ちゃま」


 奥からパタパタと乳を揺らしてメイド服を纏ったお姉ちゃんが出迎えてくれた。

 エプロンの下からでもその存在を誇示するほど大きい。


 金髪碧眼のメイド。正確な年齢は不明とのことだけど二十代半ばらしい。

 そんな外見なので、イギリスヴィクトリア朝時代のメイド服とエプロンを憎いぐらいに着こなしている。


 既製品のメイド服は生地がペラペラしていているからと、厚めで丈夫な綿サテンを使用して自作した拘りの逸品で、エプロンの装飾を見えるか見えないか程度と控えめに留めているあたりが本格派らしい。

 金髪はひきつめられて白(はく)綿(めん)バティスタのメイドキャップに仕舞い込まれている。


 僕が小さいころから既にメイドだったので違和感などない当たり前の光景なんだけど、現代日本でメイドってなんだろ、とは思う。


「マンコになさいますか、お口になさいますか、それともア・ナ・ル?」

 真顔で尋ねてくる。メイドと性奴隷を兼任しているお姉ちゃんの中身は変態なんだ。


 朝はお口だったので「マンコにしよう」と真顔で答えた。

 質問の内容はともかくとして、お姉ちゃんは真面目に尋ねてきているのだから真面目に答えることにしている。


「かしこまりました、準備万端でございます」


 お尻は滅多に使わない。そもそも入れる理由がないよねあの穴。

 前の穴の方が気持ち良いし。お姉ちゃんは残念がっているけど。

 この間、それぞれの穴の使用回数をグラフにして提示してきて、もっとアナルにもお情けをと直訴してきた。

 プレゼン内容よりもカウントしていたことにちょっと引いた。


「ところで出番がないアナルさんが寂しがっております、差しさわりなければお情けを・・・」

「とうとう擬人化してきたか」

「なかなか挿れていただけませんので、なにか重大な欠点があるかと懸念いたしまして。汚いとかグロテスクとか異臭を放っているとか」

「不思議そうな顔してるけど、そもそも出口だよねそこって」

「一般的にはそのような認識が罷り通っております」

「全般的にね」

「そこは柔軟に対応させていただきます。柔軟といっても締まりは抜群でございます」


「また後日ね」

「かしこまりました、今回はマンコさんに出番を譲りますが、常在戦場を旨にスタンバイしておきます」

「あと汚くないよ、お姉ちゃんのピンク色で綺麗だよ」

「ありがたく存じます、そのお言葉でアナルさんも救われます」


 お姉ちゃんは感謝を述べて深々と頭を垂れた。


「下半身が多重人格だね。お尻でしたがるけど気持ちいいの?」

「そこはそこでまた気持ち良さがございますが、マンコの方が気持ち良いです」


「じゃあなんでお尻でしたがるのさ」

「閨でのバリエーションを増やすため、また、お尻でよがり狂う私をご覧いただきまして坊ちゃまに興奮していただけると私も興奮してしまうためでございます。あわよくば坊ちゃまがご自身のアナルに興味を持たれる切っ掛けになれば勿怪の幸い」


「僕のお尻を狙ってたの?」

「正確には若い菊座の奥に潜む前立腺さんです」


「前立腺?聞いたことはあるけど。前立腺ガンとかの前立腺でしょ」

「はい。私には付いていない器官でございますので未確認なのですが、男性が快楽を覚えることができる箇所とのことです。すぐにどうこうしようという訳ではございません。快感が強い前立腺に慣れてしまうと男根では逝きにくい身体になりかねないので、男根の使用に飽きた際のエマージェンシープランでございます」


「まだそんな枯れる年じゃないよ、リスクヘッジしすぎ」

「まずは、アナルに親近感を抱いていただくことが目的です。アナルは怖くないよ、味方だよ、と。私のアナルを弄んでいただくのはその布石です」

「深謀遠慮が過ぎるよ。怖いな、戸締りしとこ」


 お姉ちゃんの陰謀が白日の下で暴かれたところで、手を繋いで寝室に向かった。

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