一章
1-1 side:戸田 祐一
第1話
ふと目が覚めた。
昨日、というか、今日、何時に帰ってきたかは覚えてない。
空が明るくなりかけてたのは覚えてるけど…それはいつものこと。
今何時だ?
頭がまだ完全に働き切らない内にスマホを取るとメールが来てた。
差し出し人は修。
-昼、屋上集合-
相変わらず最低限の用件だけ簡潔に書かれていた。
今は10時半。
二度寝したいとこだけど…学校ですればいいか。
シャワーを浴びて着替えると俺は鞄も持たずに外へ出た。
太陽がまぶしすぎた。
夜行性な俺らには関係ないと思ってたけどそういえば今週は暑くなるとか言ってたっけな…
そんなことをぼんやりと思い出しつつ半分寝ながら歩いてたら気付いたら学校に着いていた。
学校に来るのは一ヶ月ぶりくらいだな。
俺が向かうのは教室でもなければ指定された屋上でもない。
小屋。
なんとか室みたいなもっとマシな呼び方があればいいけど…元が物置小屋なんだから小屋としか呼びようがない。
校舎と少し離れて独立して建てられている小屋は唯一…いや、唯ニだな。の、俺たちの居場所。
ここの鍵は限られた人間しか持ってない。
鍵を開けて中に入ると見慣れすぎた二つの顔があった。
「よー」と言うと「おう」と一つ声が返ってくる。
会話はそれだけ。
俺はソファに寝ころんでそのまま寝た。
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