第22話 大賢者の崇拝者?
「あの魔法式、構築したのは、僕じゃないよ?うちのばあちゃんだよ?
本来、正解とされていた魔法式も、元は、ばあちゃんが構築しもののはずだよ?
僕が、ばあちゃんから教わったのは、僕が回答した、新しい方だけどね。
未だ、世の中に知られてなかったんだね。
あれを解読出来たんなら、先輩も、すごく優秀なんだね」
「そう言ってもらえて嬉しいけど、僕なんて、レオナルド君に比べたら……」
「ごめん、そろそろ行かないと……じゃあ、又今度話そうね?」
「ああ、そうか……分かった。又今度……
僕が話したかったのはアイルドベルの事なんだ。
僕は、祖父の勧めで、魔法理論を、主体に勉強してきたんだけど、
本当は、それよりも、政治とか国の在り方とかに、興味があってね。
アイルドベルの完成図を、学長から見せてもらって、
まるで1から国を造っていくかのような構想に、すごく興味が湧いて、
レオナルド君に、話を聞いてみたかったんだよ。
又今度、アイルドベルの事、ゆっくり話を聞かせてよ」
「……そうなんだ……ねえ、先輩。この後、なんか予定ある?」
「ん?今日?いや、特には……」
「アイルドベルに、一緒に行ってみない?」
「えっ?アイルドベルに?そりゃあ、行ってみたいよ?でも、良いのかい?
もしかしてメリーアン大賢者様にもお会い出来るかな?」
「うん、そもそも、ばあちゃんに呼ばれて、行くんだからね」
「ばあちゃんお待たせ〜」
「レオかい。見てごらん。良い感じに、寮が配置できただろ?
だけど、もう余り魔力が残ってないから、リカバリーはあんたに任せるよ」
「了解。それで僕を呼んだのか〜?凄く良い居住区が出来そうだね?」
「ああ、そうだろ? で、そっちの少年は誰だい?レオが連れて来たのかい?」
「学園の先輩だよ。アイルドベルの再生に興味が有るんだって。
それに……ばあちゃんの大ファンらしいよ?憧れだって」
「そ、そうかい?照れるね。こんなばあちゃんで、がっかりしないかい?」
「とんでもありません!凄くお綺麗で驚きました。
僕は、クリス・サングスターと申します」
「な、なにお世辞言ってるんだか……この子は……
ん……サングスター?何処かで聞いた家名だね?」
「祖父は学園の副学長で、魔法理論の教授をしております」
「魔法理論?もしかしてスタントン?」
「はい、覚えておいでですか?」
「ああ、記憶力は良い方でね。あの子は、なかなか優秀だったけど……
そうかい、学園で副学長をしているのかい。随分出世したんだね。
スタントンか……懐かしいね。
あんたが、あの子の孫?言われてみれば、どことなく面影があるね」
「ねえ、ばあちゃん。僕リカバリーを掛けてくるから、そのまま先輩と話をしててよ。
先輩、聞きたい事、色々有るんでしょ?」
「ありがとう。レオナルド君。リカバリー頑張って来てね?
だけど……リカバリーってなに?」
「え〜とね?見せるね?〝リカバリー!〟」
「ウワッ!びっくり!凄い!凄いよ、レオナルド君!まるで新築じゃなか?
祖父にも見せたいよ!」
「良いね?今度連れておいでよ?良い事思いついたよ?」
「何?ばあちゃん?」
「どうだろ?あの子……スタントン……ここの学園の学園長になってくれないかね?
学園の教師を集めるのを、どうしようかと思っていたんだよ?」
「それは凄い!きっと祖父は力になってくれると思いますよ?
何しろ、メリーアン大賢者様の、崇拝者ですから祖父は……」
「あの…… メリーアン大賢者様……」
「〝メリーアン大賢者様〟とか、堅苦しいね……そうだね……
〝 メリーアンさん〟とかにしてくれないかい?」
「え……と……それでは、メリーアン様……」
「まあ、それでも良いかね……で、何だい?」
「レオナルド君は、一体いつまでリカバリーを?
普通なら、とっくに魔力が、切れていますよね?」
「さあ、どうだろね?寮のリカバリーが全部終わって、工場のリカバリーを始めてるね?
あの子の魔力量は、私にも底が見えないんだよ?
飽きたら辞めるんじゃないかい?」
「す、凄い…… とんでもない魔力量ですね……
レオナルド君は、本当に人なのですか?」
「ハハハ。そう思うよね?でも人で間違いないよ?
私は、あの子の両親を知っているからね?
特に、父親とは瓜二つだよ」
「やあ、レオナルド君。先日はありがとう。
大賢者様にお会い出来て、本当に感謝している」
「レオで良いよ」
「じゃあ、レオ君」
「
「そうかい?だったら僕の事もクリスと。さんも先輩も要らない。呼び捨てにしてくれ」
「何で?先輩なんだから呼び捨ては……」
「僕は決めたんだ。君についていく」
「へっ?今何て?」
「君が世界をどう変えていくか、隣で見ていきたいんだ。
だからアイルドベルで、僕を雇ってくれ」
「聞いたよ?先輩は、1年の時からずっと学年トップの成績なんでしょ?
良いところに、就職出来るはずでしょ?」
「僕にとっての1番は、レオのところなんだ。頼む」
「僕としては、先日色々話して、僕の考えに賛同してくれた先輩が、
右腕として手伝ってくれるって言うなら、願ってもない事だけど……」
「決まりだな!大賢者様にも、〝レオをよろしく〟って言われたんだよ」
「そうなんだ?分かったよ。これからよろしく頼むよ、クリス」
クリスとは、テイラーと共に、無二の親友……
レオナルドの右手左手として、長い付き合いになるのだった。
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