第6話 天国からの地獄へ

こんな風にその後もしばらくの間、細々とやりとりを続けていた。

返事が来ないとしんどく、来たら飛び上がって、の繰り返しで。

これはもちろん、ひなのが彼女に対して、抱き始めた感情が、どんなものだったか、読んでくださっているみなさんには想像できていると思う。


しかし、問題はここから先だった。

ひなのは完全に舞い上がっていたことを、後から知ることになる。


それは彼女に「仕事どう?難しそう?」ってDMしたときのことだ。

その返事は「難しいけど楽しいよ!趣味が合う人と飲みにも行ってるよ」とのことだった

。ひなのはさらに聞いてみた。

「趣味は何なの~~?」てね。

しかし、それに対してなんと!!!


返事がなかったのだ!!!


なんでそんなに驚いたかというと、疑問形で送ったから必ず返してくれるだろう、と思っていたからだった。それなのに、返ってこなかったから、カナリ驚いたわけなのさ。


「普通、疑問形で終わってたら、返さない??

でもな……。ネットとかで見ると、そういう人もいるってことで、みんながみんな疑問形で送ったのに対して、返してくれるとは限らないみたいだからな」

とは思ったが、ひなのは残念に感じてしまっていた。

だって、質問に対して返ってこないって、無視されてるみたいに感じるじゃん。


「わたしのこと、嫌いなのかな?何か悪いこと言ったんだろうか?」

そこまで自分を追い詰めてしまっていた気がした。


そんなショックと疑問を感じながらも、ひなのは勇ましく??粘り強く??彼女にDMし続けた。

次に送ったDMはこう。

い~い?少し長いから、覚悟しな? 笑


「お疲れ様~。あのさ、柚果はわたしが思うほど弱くはないのかもしれない。

でも、しんどいときは弱くなったっていい。

わたしはまだ柚果のことよく知らないけど、弱いとこ見せていいよ。

しんどいなら、しんどいって言っていい。

泣きたいときは泣いていい。

どんな柚果も受け止めるから。

×××これ、私のラインIDだから、何かあったら話して。いつでも話聞くから。

返信いらないよ。読んでくれてありがとう」

ってな感じで。


「自分で言うのもなんだけど、なかなか良い文章を作れたんじゃない?」とひなのは思った。

なんでここまでの文章が作れたかというと、日々、頭に浮かぶ溢れる思いを、スマホのメモ帳に書き留めて、心に響く文章を作ってから、のちのち送る、というスタイルを取っていたから。

そうすれば、伝えたい気持ちをしっかり、伝えられるから。余すことなく、ね♪

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