第6話:勾玉が持つ意味。
「そうご両親海外へ行っちゃったんだ」
「俺は学校があるし・・・言葉も分からない海外になんか引っ越したくないから」
「ひとりのほうが自由で気楽だしね」
「それに、今日からめちゃ可愛い彼女と一緒だし・・・」
「彼女?・・・いつから私、遊星の彼女になったんでしょ?・・・友達からじゃ
なかった?」
「調子に乗ってると黄泉の国に飛ばしちゃいますよ」
「って言うか、私、遊星んちでのんびりしてられないの」
「たまたま遊星が電車に飛び込もうとしてるところに出くわしちゃったけど、本当は知り合いと約束してて、待ち合わせしてたの」
「私が現れないから、きっと今頃イライラして待ってると思うの」
「だから、私行かなきゃ」
「え?来たばっかなのにもう行っちゃうの?」
「まだいいじゃん・・・俺たちどんどん交流深めていって今晩、俺んちに泊まって
って友達から彼女に彼女から恋人に発展して・・・でさ、一緒に風呂に入って同じベッドで寝ちゃったりなんかして・・・ふたり重なって」
「なんで、そう言う流れになるわけですか?」
「私のお友達が地上に降りてきてて、私そのお友達を頼ってきたの・・・だから」
「友達は逃げていかないよ」
「遊月ちゃんが行っちゃった、もう会えなくなるかもしれないじゃん」
「ん〜とりあえず明日また連絡しますから・・・」
「どうやって?」
「それは・・・じゃ〜しょうがない・・・また勾玉置いていきますから・・・」
「でも、用事もないのに呪文唱えないでくださいね」
「分かった・・・大丈夫、会いたいって思った時だけ呪文唱えるから」
「そんなの、ずっとじゃないですか・・・」
「勾玉、渡してくれないと俺、死んじゃうよ」
「またそうやって私を脅迫しようとする・・・ずるいよ遊星」
「しょうがありません・・・じゃ〜もう少しだけここにいますから・・・」
実は
さんが人間界にやって来てるらしい。
まあ、その神霊さんのことも気になったが
かや言ってトンチンカンな遊星のことを案外気に入っていた。
だからその神霊さんのいる場所に瞬間移動すれば、すぐだったけど、遊星が
言ったように、一度別れたらもう遊星には会えないような気がした。
「あのね、遊星に勾玉渡すってことは私の主人は遊星ってことになるのね」
「勾玉の本当の役目は召喚士が神霊を召喚する時に使うものなんです」
「え?そう言う関係になるの俺たち」
「遊星は召喚者で私は召喚される立場になっちゃうの」
「自殺願望のいい加減男に勾玉渡しちゃうって不安だって思いませんか?」
「一度は俺に勾玉渡しちゃったじゃん、返したけど・・・」
「大丈夫だよ、もう自殺願望ないし・・・健全、健康な頼れるいち男子だよ、
俺は・・・」
「それだから勾玉渡したくないの」
「なんでよ」
「いちいち言ってることが大袈裟でウソくさい」
つづく。
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