記述士育成課 基礎教本 - Morphospecta公式教材 -

第1章：SOLARISの基礎理論

第1節：SOLARISとは何か

　SOLARISは、Synthetic Ontological Layers of Alternate Realities in Subconsciousの略称であり、

　「潜在意識における代替現実の合成的存在論的層」

を意味する。

　人類が言語を獲得し、物語を紡ぎ始めた時から、SOLARISは人間の意識と共に発展してきたと考えられている。

　神話や伝説、民話といった集合的な物語は、人類の意識の深層に確かな痕跡を残し、やがてSOLARISという特殊な空間を形成するに至った。

　これは人類の集合的意識が形成する層であり、言語や概念によって構築された意識の空間である。

　現実と夢、意識と無意識の境界が曖昧で、人間の認識や解釈によって形を変える可塑的な特性を持つ。

　重要な特徴として、以下の3点が挙げられる：

1. 物語性

　個人や集団の記憶、願望、トラウマなどが「物語」として具現化される。

　人類の言語活動と密接に結びつき、独自の法則を持つ物語として現実世界へ影響を及ぼす。

2. 可変性

　物語は固定的ではなく、人々の意識や感情によって常に変化する可能性を持つ。

　言語表現の進化と共に、その形態も変容を続けている。

　この可変性こそが、SOLARISの本質的な特徴である。

3. 伝播性

　一度形成された物語は、言語を媒介として人々の意識を通じて伝播し、より大きな影響力を持つ可能性がある。

　これは時として危険な結果をもたらす。

　記述士は、このSOLARISの性質を十分に理解し、常に客観的な観察者としての立場を保たなければならない。