第11話

 奄美群島は毒蛇どくじゃである【ハブ】が多く生息していることで有名である。雄一が居た当時は、奄美大島で人口七万人に対して、二十五万匹ものハブが生息していると云う説もあったくらいに多かった。

 生息しているのは、奄美大島、加計呂麻島かけろまじま請島うけじま与路島よろじま徳之島とくのしまである。喜界島きかいじま沖永良部島おきのえらぶじま与論島よろんじまには生息していない。気温や土地などの環境の違いかもしれない。大きさは1・5メートルから2メートル程あり、1メートルくらい飛ぶらしい。三角形の頭をしていて、鋭い二本の毒牙どくがを持っている。

 まれると、火箸ひばしを突き刺されたような激痛が走り、筋肉、血管が侵され、広範囲が壊死えしするとの事だった。後遺症としては関節障害、歩行困難が残る場合もある。壊死の状態によっては、手足の切断もする必要があるとの事だった。

 とにかく、咬まれたら一刻も早く、血清を注射する必要がある。酷い時には死亡する場合もある。

 攻撃時間は瞬時で、一秒前後だそうである。夜行性で、分布域も広く、行動範囲も広くて、山の山頂から山腹、畑、道路、海岸、磯、さらには街中にも出現する。

 泳ぎや木登りも上手らしい。木に登って、飛んでいる鳥を捕らえて食べることもある。気温が二十四度前後が一番活動が活発である。その為、奄美では六月から十月までが危険性が高い時期であった。

 奄美大島では【金ハブ】、【銀ハブ】がほとんどであるが、他にも【赤ハブ】、【黒ハブ】と呼ばれる種類も群島内には生息していた。

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