普通に生きられなかった私を私は見ながら書く。
さくら ゆい
都会で考える生きる意味
3月某日、東京都新宿区の新宿駅。
いろんな路線が走る駅のホームで私は中央線の電車が来るのを待つ。
今日は卒業したはずなのに、学校へ登校した。単位は足りてる、課題は出した、卒業式は他の同級生と今度こそ迎えた。
じゃあなんで行ったんだろうって思ったけど、芸能界学校だからだよ。
芸能界学校は進級公演があるからね、否が応でも行くのさ。役とか別に私はあるわけじゃないから、まあみんなのお手伝いさんみたいな感じよ。
まあお手伝いさんって別に要らないんだろうけどさ、頼まれた以上はやるしかない。
文句なんて馬鹿みたいに言ってられないよ。
これ大学受ける前から永遠と考えていたけど、私ら三年生が卒業したって、一年生と二年生には関係なくなるからさ。だって三年生が卒業してかける言葉って『卒業できたんだね、おめでとう』とか『もう、戻ってこないでね』しかないでしょう?
一年生と二年生がそう思ったって、私たちだって戻りたいとみんなが思うわけじゃあないんだから、そこはわかっておいてよ。
私は戻らない、四月からは新宿を超えた場所の駅にある大学の大学生になる。なってやるって決めて、専門学校は行かないって決めた。
いろんな専門学校があるのだって知っているよ、でも大学がよかった。
親不孝だけどさ、誰かには嫌われているけどさ。
これでも普通に生きようとしているんだよ、私は他の人みたいに普通に生きられないからさ。18年間、普通に生きたい普通に生きたいって何回願ったかなあ。
普通の生き方している人に出会って、私がゴミみたいに見えて消えたくなったのだって何回あったかな。障害者みたいだって同級生や親に言われながら生きてきたこととか、『鈴木さんは繊細なんだろうね』とか『私的に鈴木さんは繊細な人だと思うんですよ』って言われても、心の中では障害者なんですよ、ごめんなさいってバカみたいに隣にいる誰かに謝り倒して。
まあ障害者で、嫌われ者で、それに過敏な何かを持って生まれてしまったから謝ることしかできないんですよ、ハンデばかりなんですよ。
まあ聞いてよ、普通に生きられない私が私について書く話。
18年しか生きてない小娘がなんて思っても、読んでよ!
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