聖女を撤退させよ、早急に ～勇者が死に、魔法だけが残った世界で、貴重な聖女を助ける為に、特殊任務分隊は行く～

第1話 プロローグ

　かつての聖女は、神へと祈った。

　神よ、世界を破滅へと誘う魔王から人の命を守れ――手を合わせ、天へと祈りが届くように。神の言葉を代理人として伝える。

　願いは届いたのか、定かではないが、ついに勇者は魔王を打ち滅ぼし、世界は平和に包まれた。

　時がたち、　神はいつしか不要となり、勇者は絶滅したが、聖女もいつしか消え失せた。

　だが――聖女は復活した。

　かつてのように神へ奇跡を願う聖女ではない。

　現代の聖女である。

　彼女たちは何者で、果たして何へと祈るのか？

　答えは一つだ。

　勝利を得るための、武器へ魔力を注ぐために祈るのだ。

　防衛ライン用の希少な魔力タンク――それが現代の聖女であった。

　この話は、聖女を前線から回収するために用意された、使い捨ての特殊任務分隊の顛末を記している――。

〇あとがき

直前に更新した作品の、

「元いじめられっ子の俺、異世界から帰還する」

https://kakuyomu.jp/works/16817330659441868636

に比べると、だいぶ硬派ですが、よろしければ、読んでみてください。

ブックマークをしておくと、更新時に通知がいきますので、よろしくお願いします。