第22話 いつもの教室?
何だろう。
今日は昨日に休んでいた彼女が学校に来ている。
そう。今日は教室に山本 サヤがいる光景
「なあ、サヤ。お前本当に大丈夫だったのかよ」
「マジで悪かったな。電話に気が付いてやれなくて」
「トムだけは許せねぇ、次合ったら、ボコボコにしてやる」
あんなことがあったからか、それも、彼女が当時者であったこともあってか。榊を筆頭に、彼女の周りにはいつも以上に大勢の男が群がっている。
さすが、人気者は違うと言ったところか。
おそらく、俺が彼女と同じ立場であったと仮定した場合、当然ではあるが誰も寄ってこない。寄ってくるビジョンが一ミリも浮かんでこない。
「うん、大丈夫だよー」
そう。まず彼女を俺に置き換えて考えると、俺の周りに女性たちが群がるということだ。ありえなさすぎて笑えてくるレベル。
「なあ、今日。景気付にパーっと放課後遊びにでも行かね。俺、奢るし」
「いいね。いいね。行こうぜ、サヤ」
「おう、どこ行くよ!」
まあ、程度の差はあれど、彼女の周りに男が集まる点はいつも通りと言えばいつも通りの光景なのだろう。
「あー、ごめん。ちょっと今日は行くとこあって」
ただ、やはりあんなことがあった後ということもあるのか、いつもとはちょっと彼女の様子は違うのかもしれない。
「じゃあ、明日はどうだ。次の休日もアリ!」
具体的に何が違うかと言われると上手くは説明できないが...
「ごめん、明日も次の休日もちょっとナシかな」
何と言うか...
全体的に大人しくなった?別に愛想が悪いわけではないのだが、いつもより淡泊というか、いや、いい意味で自然体?
とにかく、今日の彼女からはいつもの様な過剰なあざとさを感じない気がする。
疲れている?
「....」
まあ、そんなことは正直俺にとってはどうでもいい。
それよりもだ...。
朝、たまたま駅で彼女と遭遇した時の出来事が今も頭から離れない。
『あの時は本当にありがとう』
ふいに彼女、山本サヤに真顔でそう言わてしまった。
「....」
一応、とぼけはしたが...
そう。やっぱりあの時の俺が俺だとおそらくバレている...。
でも、ややこしいことには現状、俺は巻き込まれていない。
これはどっちだ...。
単純な善意から黙ってくれている。
それとも
何かの交渉材料にするために、あえて泳がされている?
「....」
心なしか、今日も彼女の視線を何度か感じる自分がいる。
それも、以前の様なあからさまなものではなく、チラチラとさりげない感じの...。
「....」
まあ、それは気のせいか。
とにもかくにも無事でよかったことは確かだ。
そして、無事と言えば...
とりあえず、今日も...
俺はバイト。
どうか、何も問題になっていませんように...
本当にお願いします。
本当に...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます