第20話 転生システム。自分の仕事じゃないの!?
神は他の世界から魂に能力を与えて力に耐えられる体を与えて転生させた。その人にバグを処理させて世界のバランスを保っていった。この方法が最も効率的であることに気付いた神は各世界の神々に伝え、魂の受け渡しを始めた。最初は1柱の神が始めた転生だったが、瞬く間にこのシステムは波及した。
転生した者達は転生先で裕福に暮らしたり、好き放題やったりしているらしい。だが、神が与えた使命であるバグ処理に関しては必ず遂行する様にプログラムされている。
「……プログラムされているって……!?私もバグ処理をやらされるってことだよね!?」
バグ処理ってなんだ!?と思いつつもバグについては何も言われていない。
「深層心理では理解しているはずですよ。……サーシャは魔王を倒さないといけないと思っていますよね?」
わかっている……?魔王は倒さないと私たちの生活が脅かされるから……。んん?
「……もしかして……、この世界におけるバグって……!?」
「はい。ご想像の通り。この世界におけるバグは魔王です。」
はあー、なんてこった。確かに最初に使命だとかなんとか言われたなぁ。本来神は魔王が出てこないようにするために調停するべき者達だったのだ。それを、転生した者達に任せるとは。
「……、でも、魔王を放っておくことはできないよね……?」
神が私たち転生者にバグ処理をやらせているけど、それをやらないとなるとバグは大きくなり、世界は破滅する。そこで、もう一つの疑問が湧いた。
「バグを放って世界が破滅したら、神様だって困るよね?もし、転生者がバグ処理に失敗したらどうするの?」
そうだよ、私が動かなければ世界は破滅するんだ。流石に神様だって看過できないだろう。
「……そうですね。流石に破滅されるのは神も望むところではありません。……ここで、1つの世界の話をしましょう。――」
そう言って、パルキフェルは話を続けた。
「その世界では魔王ではなく、自然災害がバグでした。バグにもいろいろ種類があります。そのバグは自然災害として、人間を駆逐しようとしていました。……それに対抗すべく転生させられた者がいます。彼は破格の『時を止める力』を有していました。」
時を……!?
「彼は自然災害の猛威を止め、人類を非難させるということを繰り返しながら、世界の住民と協力して、自然災害に耐えうるシェルターを地下深くにつくり、生き延びました。こうしてバグ処理を終えた彼でしたが、新たなバグが発生します。彼は繰り返されるバグの処理に人生を費やし、死んでいきました。」
そうか、使命を残したまま逝ったのか。
「ですが、その世界のバグは出現し続けました。そこには神からまた新たな転生者が送り込まれます。それを繰り返し、延々とバグ処理をさせる道具となっているのです。……神は転生者の命など、なんとも思っていない。つまり、世界さえ滅びなければ転生者を次々と送り続ければいいと思っているのです。」
私たちの命なんてなんとも思っていないってことか……。本当にそれが神なのか……。
「そして、私が激昂したのは、その様子をあたかもゲームのようにのぞき、観戦していた様子を見た時です。」
まあ、そこまでして、仕事がなくなれば、次は娯楽を探すよなぁ……。
「神は死者のランク分けをして、現在起こっているバグのレベルに合わせて転生者を送り、その奮闘する姿をある種のエンターテイメントとして観戦しているのです。」
そういうことね。私は納得した。転生に関しては嬉しかった部分もあるけど、一方的なそのシステムを不思議に思っていた。
神の命令は絶対。
これはどうしても覆せないんだろう。
「私はどうしても、我慢できずに仕えていた神に物申しました。その結果が、今の状況です。」
なるほど。
「状況はわかったよ。だけど、ここに私を連れてきた理由にはなってないよ?」
私はパルキフェルに質問をし直した。
「そうですね。まずは背景を知ってもらおうと思いました。……、では、本題です。私はあなたに協力をお願いしたいと思い、ここに来ていただきました。」
「協力……?」
パルキフェルは小さく頷いた。
「はい……。神々の世界。神のコミュニティである、
そういうことだろうと薄々感じてはいた。だけど、私達だけで可能な所業なのだろうか……?
「それは可能なの……?」
いち転生者と追放された元天使。神に仇なすことはできるのだろうか?
「今の私達だけの力では不可能でしょう……。ですが、あなたが魔王を倒すほどの力量を身につければ不可能とは言いません。」
そうか、まずは目先に魔王という、この世界のバグがある。それを倒さないことには始まらない。
「……そうなんだ。魔王って実際にはどれくらいで活動が活発になりそうなの?一応、今脅威はあるとはいえ、平和ではあるよね……?」
私は質問を投げかけた。
「この世界のバグ周期から考えても、あと10年は安泰でしょう。それまでは力をつけると言った形で進めるのがいいでしょうね。」
あと10年。まだ意外と猶予はあるのか……?10年が長いのか短いのか判断はできない……。
「わかった。まずは力をつけるのが先決ってことだね。」
「そうですね。あなたもまだ身体的には5歳です。まだまだ成長の余地はあります。私もサポートはしますので。」
パルキフェルは手助けをしてくれるとはいうが、うまく立ち回れるだろうか。
「サーシャには、私からの祝福も授けます。ぜひ受け取ってください。」
そう言ってパルキフェルは手を突き出すと光の玉が出現し、私に入ってくる。
「私が授ける祝福は『成長速度上昇』です。本来得られる経験値をより多く得られます。この世界のにはレベルと言ったシステムはありませんが、ステータスのような経験によって上昇する項目があります。それらの上昇率を跳ね上げます。」
おお、なんと。
「10年後にはあなたはこの世界の誰よりも強大な存在になっているでしょうね。」
それはそれは……。
「それではこれでお話はおしまいです。何かあったらこの宝石に念じてください。この場所までの回廊を開きます。」
そういうと、一つの綺麗な青く輝く宝石を渡してきた。そして、いつの間にか場所が移り変わり、路地裏にたたずんでいた。
「――あっ!!いた!!どうしたの、急に!?」
私のことを探して見つけた母が声をかけた。私はさっきのことを思い出し、先ほどで心の奥底にしまい込んでいた気持ちを吐き出した。
「――やりたくねぇーーー!」
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