第12話 家族会議。両親の今まで!?

 まずは両親の話から始まった家族会議。本当に知らないことがいっぱいだった。そんなかで、父は母との出会いを嬉々として話している。


「あのビンタは痺れた。俺はコイツをモノにする!!とか当時は思ったな。でも、今思えば馬鹿だったな。」


 しみじみと自身の恥ずかしいところを話していく。


「お父さんは本当馬鹿だったのよ。お母さんはお父さんの嫌な噂をよく聞いていたの。だから、一目会えたらぶっ叩こうって決めていたの。いざ会ってみると目もギラギラしてて、自分勝手な雰囲気が醸しでていて、気持ち悪かったから往復にしちゃったの。」


 母も父の話に注釈を加える。


「……え!?おいおい!気持ち悪かったから往復だったのかよ!?」


 お父さんは母の気持ちは知らなかったようだった。母はそうよ。と言ってニコニコしている!昔から強かだったのだな。


「お母さんはお父さんが周りの迷惑も考えずに、やりたいことばっかやっているのが気に入らなかったの。ほんとばっかみたいって思ってた。」


 それがどうして、結婚することになったのだろう。


「それから、お父さんはお母さんに猛烈アタックすることにした。力は強かったから、何でもできていたが、退屈だった。お母さんに出会って、何に力を入れたらいいかがわかった。お母さんと結婚することがお父さんの目的になったんだ。……ただ、お母さんは王女様だったし、一筋縄ではいかなかったよ。お母さんからは、

「全て精算してから出直してこい」

と言われてな。俺はそれから、徐々に心を入れ替えて、今まで迷惑をかけた存在に謝罪して回った。全ての贖罪が終わったあたりで、サンローラン王に呼び出された。」


 色々あったのだろう、と言うことはわかった。全てに謝罪して回るのにもすごく時間がかかっただろうな……。


「お父さんはその時サンローラン王にお母さんに会うことを許された。多分、俺の身分というか、出生も知っていたのだろう。勇者の末裔でよかったと思ったのは初めてだったな。」


 父も身分的には高い位置にいるから交際相手としては申し分ないのだろう。あとは人間性くらいだったのだろう。


「それだけじゃないわ。貴方が自分を顧みて徐々に変わっていくのがよくわかったからよ。本当に頑張っていたもの。」


 母が付け加えた。


「お父さん、頑張ったんだね!」


 その苦労を知ることはできないけど、王様に認められるくらい頑張ったのだろうし、現に今、私の父としてここにいる父は尊敬に値する素晴らしい人物だ。


「そう!頑張ったんだよぉ!!大変だったなぁ。んで、これからはもっと大変だった。やっとお母さんに猛アタックできると思っていたけど、結婚するなら色々な作法や常識を身につけろって言われて、王城に通って毎日勉強してた。その間はお母さんにも会えなかった。」


 王族との交際も面倒だなぁ。


「ふふ。でも、その頑張ってる姿は見ていたわ。それに私も徐々に惹かれていった。私のために頑張ってくれていると思うとね。」


 そっか、もう、その時には両思いだったんだ。あとは父の成長待ちって感じだったんだな。


「まあ、そんなこんなで、ミッションを何とかやり遂げて、はれて結婚することになったんだ。」


 おお、すごい!!


「すごいね!おめでとう!!」


 私は親のことだけど、嬉しくなった。


「ありがとう。それで、結婚するってところまではよかったんだけどな……。」


 なんか煮えきらないな。


「何があったの?」


 私は気になったので質問した。


「……私が、王族としてじゃなくて庶民の生活をしてみたいと言ったの。」


 母が続けて話をしだした。


「私は王族としての教養は様々受けてきたけど、市民の生活を知らなくてはいけないと思っていたの。そうしないと、実際に何が悪いのか見えてこないと思って。」


 ああ、そういうことね。確かにここの暮らしだけだとわからないかも……。


「だから、お父様に結婚したらここを離れて暮らすと進言したのよ。そうしたら!お父様は


「お前には無理だ!王城で暮らせっ!」


って聞かなくて、私も意固地になって、絶対できると言い張って、色々発展して仲違いから出ていくことになったの。」


 それで喧嘩別れってことか!重大な問題って訳じゃなくてよかった!まあ、今回仲直りもできたしよかったよかった!!


「大変だったぞー!?しかも、俺は何のために色々勉強したんだっ!?って最初はなったぞ。まあ、お母さんのやりたいこともわかるし、それを最大限フォローしたいと思ったからな。」


 そうだよね!?お父さんも苦労してたんだなぁ。


「しかも、王様から条件もつけられてな。マツォーネ領を統治しつつ、生活してみよって結構なスパルタだ。多分、無理で泣きついてくることを想定していたんだろう。だが、俺たちはやり遂げた。それを今日、報告できた。もう、王様としては認めるしかないよな。そんな状況下で子育てもしたんだから。」


 両親はとても苦労したのだと思う。私を育てながら領地の管理もして、普通にギルドの仕事もこなして。しかも町の人たちとも有効な関係を築けて、王様にとっては予想以上の嬉しい出来事なんじゃないのかな。


「まあ、そんなこんなで、今に至るって事かな。」


 父が自分たちの今までを赤裸々に話してくれた。


「待って。まだ手紙の話を聞いてないですけど……?」


 母が謁見の間で気にしていたことを問い詰めた。


「いやいや!!そんなに怒るなよ!?領地の近況報告がてらクレアの様子をちょちょっと書いてただけだよ!」


 ああ、そうか。領地を任されたからには報告は必須だな。王様も言い方が悪いな。


「だからって、内緒でやることないじゃない!?」


 母は黙って手紙を送っていたことに怒っていた。


「いやいや、相談したら辞めさせただろ?まあ、それでも報告はしただろうけど……。」


 父はどうあっても連絡はしたといった。自己分析と母のことをよく理解しているようだ。


 

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