月と太陽
@karen1006
第一話
昔々、太陽を操り皆を照らし、人々の笑顔が絶えない世の中を作った1人の神様がいました。そしてもう1人、月の光で夜の人々の安全を守り続けた女神様がいました。
その2人の神様は一つの国「ライト王国」を創り、この世界で一番安全で、そこをこの世の
中心としました。その王国には、代々太陽の神の力を継承するもの、月の光の力を継承する者がそれぞれ1人いました。
ライト王国ができて15年後、そこには光り輝く金髪の髪を持ち、太陽の力を継承するソラ王子と月光にも負けない凛とした銀髪のカレン王女がいました。
ガチャ
「おはよう!アカリ」
「おはようソラ」
ソラは家を出て、アカリに挨拶をしました。
2人の家は近く、幼少期から仲が良いため今日まで毎朝一緒に学校へ行っています。
「最近王宮内が忙しそうだけど、何かあったの?」
「あれだよ、最近よく現れるって言われてる“奇獣”の被害状況の調査と被害に遭った人達
への援護で忙しいの」
ソラは言った。
「どうりでうちのパパも夜遅くまで帰ってこないはけね〜」
「確かに、王宮の調査部隊の隊長のアカリの父さんは今一番忙しいと思うぞ」
‘キャ〜♡ソラ王子だわ♡’
‘やっぱりいつ見てもかっこいいわ〜♡’
はぁ〜。
アカリはため息を付く。
「ほんとあんたって、いつどこにいても人が集まってくるわよね〜」
「おい、年下のくせに“あんた”とはなんだよ。このやろ〜」
そう言ってソラはアカリの髪をくしゃくしゃと掻いた。
「もう‼︎子供扱いしないでよ‼︎」
アカリは頬を膨らませてそう言った。
「Mr.そぉ”〜ら”」
学校に入るとすぐ、極太い声でソラの名前が後ろから呼ばれた。
「じゃあ〜、あたし先行くわ!じゃ〜ね〜Mr.ソラ♡」
アカリは危険を察知して、足早に逃げていった。
「何ですか、ティム先生」
「何じゃないわよ!いいからついてらっしゃい!」
「何なんですか、この点数!」
ティム先生の手には、35点と書いてあるテストの紙があった。
確かに名前のとこには、ソラと書いてあった。
「こんな点数じゃ、遠くにいるお母様にも顔向けできません‼︎」
「これは〜なんて言うか〜その〜………」
ソラは必死に言い訳を考えた。
「あ、たまたまです!たまたま」
それを聞いたティム先生は、顔を真っ赤にして、
「授業をしっかり聞いていたら、たまたまこんな点数になることなんてありません‼︎
とにかく、今日全ての授業が終わったら私の所へ来てください‼︎」
と言った。
「それって、補習ということですか?」
「そうです‼︎補習です‼︎ 分かったら、自分のクラスへ行きなさい‼︎」
「…はい。」
ソラは肩をガックリ下げて、教室へと向かった。
そして放課後
「あれ、Mr.ソラ帰らないの?」
「も、もしかして、先生に呼ばれてるとか〜?」
『まさか、この国の王子様がありえないよね〜』
最後は息を揃えて、アカリとソラの親友のヒカルが言った。
「お前ら、いい加減にしろよ」
ソラは、乱暴に荷物をバッグに入れて言った。
『じゃあ、おっさき〜!』
2人はスキップをして帰っていった。
時刻は午後4時くらい
太陽は傾きかけて、あたりは少し暗くなりかけている
コンコン
カレンの部屋のドアが外からノックされている。
「カレン様、よろしいでしょうか?」
第一王女であるカレンの執事兼秘書のノアが言った。
「どうぞ」
「朝食の準備が整いました。」
「ありがとう。今行くわ」
ガチャ
カレンは部屋を出て、朝食?へ向かった。
「“奇獣”はあと何体残っているの?」
「ざっと100体ほどです。」
「そう、じゃあ今夜中には討伐し終えそうね。」
「はい」
その時
「カレン隊長‼︎今日もお美しいです‼︎」
「ちょ、アレンくんいきなり失礼だよ」
カレンとノアのもとに茶髪のアレンと白髪のナギがやって来た。
「ありがとう。あなた達も今日も一段と美しいわよ」
「うぁ〜!ありがとうございますっ!」
「あの〜ノアさん」
「はい?」
「“奇獣”はあと何体倒せば良いのでしょうか?」
「100体ほどです。」
「ヒェ〜〜まだそんなに…」
ナギは恐怖で震え上がった。
「心配すんな、ナギ‼︎俺がついてる‼︎それに隊長もついてる‼︎そうっすよね⁈」
「えぇ、もちろん一緒に同行はするわよ」
そう言いながらカレン、アレン、ナギは朝食を取り終えた。
「ほらなぁ〜だから大丈夫ぅ…わっ‼︎」
アレンはノアに正面からぶつかってしまった。
「カレン様とお話ししたいのは存じ上げますが、ここからはカレン様のプライベート空間
ですので」
ノアは両手を広げたまま言う。
「そ、そうですよね!また後で〜〜」
ナギはアキラを引っ張って走っていった。
「彼ら、今までの戦士とは違いますよね」
「そうね、1人はとても明るいムードメーカー。もう1人は常にビクビクしてるわね」
「どうして彼らの入隊を許可したのですか?」
「アキラくんは身体能力の高さ、ナギくんは空間認識能力の高さからかしら」
「でも、流石に彼らがここまでまとわりついてくるのは想像してなかったと?」
「そうね」
カレンは苦笑した。
一方学校では
「いいですか、Mr.ソラ?ここはこうして解くのですよ」
「はい、わかりました。」
「今日はここまでです。また補習にならないようにしっかりと、授業を聞くこと‼︎」
「はい‼︎」
「では気をつけて帰ってください。最近“奇獣”とかいう危ないモンスターがうじゃうじゃ
いるらしいのでね。では、私はここで失礼します。」
「ありがとうございました!」
ソラは軽く礼をした。
ソラは今補修が終わったことを執事達に伝えるべく、ペンを取り出し、空中に文字を書いた。
この世界ではこう言った文通的なもので連絡を取り合っている。
サンキャッスル(ソラが住むお城)にて
「ソラ様、補習終わったらしいですよ。どうします、私が迎えに行きましょうか?」
「いや、大丈夫だ。俺が行く」
そう言ったのは、レオン。ソラの側近だ。
「でもレオンさん、ソラ様の今日の分のお仕事まだ終わってないのでは?」
「今終わった。君たちは夕食の支度頼む。」
『はい‼︎』
ムーンキャッスル(カレンが住むお城)にて
「いいか!我々ナイト戦士団は国民の安全のために戦う!
少しでも無理だと思ったやつから降りろ!」
『はい‼︎』
「あの、毎回この暑苦しい結団式的なものはいるのでしょうか?」
「昔からの伝統らしいわ。」
「なら仕方ないですね」
「では、いざ出陣‼︎」
『おう‼︎』
ノアとカレンはそんな会話を交わしながら遠くからこの結団式を見守っていた。
「カレン様は西の方をお願いします。」
「分かったわ」
そう言ってカレンは人差し指を一回転させると目の前に赤い絨毯のようなものが出てきた。
そう、月の力で絨毯を作り出したのだ。月の女神直属の者は、自分で自由に月の力を操れるのだ。対して、その他の者は毎晩月光から得られる月の力を使うのだ。
その頃、身支度を終えたソラは迎えを待っていた。
「補習はもう2度とごめんだな〜」
そんなこと呟きながら。
「あら〜まだ居たんですね、Mr.ソラ〜」
フラフラとティム先生がソラの方へ歩いてきた。
その時ソラは何か先生の様子がおかしいことに気づいた。
歩き方だけでなく、息遣いも激しいのだ。
「あの、ティム先生?体調が悪いならもう帰った方が良いのでは?」
「そうですね………」
「でもそれはおまえをく”って”か”ら”だぁ”‼︎」
そう言って、ソラの方へティム先生が襲いかかろうとした。
その時、
ダッダッダッダ
スパーン
誰かが走る音と何かが空気をきる音が聞こえた。
その瞬間ティム先生はソラの前に倒れ、代わりに黒いフードの被った女が剣を構えていた。
そうそれはカレンだったのだ。
月と太陽 @karen1006
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