第22話 ヤルタ村観光その1


ルビナスside

 

「グスッ……グスッ……ステーキ食べたかったのに……」


 魚料理店の中に入った後でも私は相当へこんでいた。流石に勝負に勝ったのにこの仕打ちは酷いですよ……。


「まあまあ……。今回は仕方ないよ!この翌日なら行けるかもしれないからそうしよ!」


 そんな時アスタ様が慰めの言葉をかけてくれた。まあこんな事で何時までも萎えていたら駄目ですよね。もう止めましょ! 


「うん!」


「あ……ごめん!ちょっと席離れるね!」


 アスタ様がそう言って奥の方へ消えた。……アナスタシアさんと2人になっちゃった。何を話そうかな〜。悩むなぁ。

 私が話題を探していると彼女が先に先陣を切った。



「そういえばさ、ルビナス、ラクスはどうしたの?」


 あ……。そういえば伝えていませんでした。テキトーに言っておきますか。


「あ〜大丈夫です!一応元いた所に送り返しましたからね!もうやるんじゃないよって言ったら納得してくれましたからねー!」


「なら良かった〜。あ、そうだ!まだあの3人に報酬送ってないからお肉分けてあげよっと!」


「報酬ってなんですかー?」


「ルビナスには言ってなかったけど私魔物退治に勤しむパーティさんにご褒美をあげているんです!」


 ふーん。ご褒美かぁー。というかテキトーに言った事がこんな形で実現するなんて!ちょっと、いや結構笑っちゃいますね〜。フフッ♪


「それは良いですねーー!あのお肉とても美味しいですし、きっとお気に召すと思いますよ〜!」


 私はニヤニヤを隠せないままそう発言する。


「でしょ?しかもドゥークあの村が故郷なの!懐かしい気分になってくれると思って!」


「へぇ!ならより良いじゃないですかー!」


 そんな会話をして暫くとても盛り上がった。アナスタシアさんはラクスさんと他2人のエピソードをたっぷり聞かせてくれた。そしてそれがある意味面白くて私を夢中にさせてくれた。これは感謝ですね♪

 そしてアスタ様が戻ってきた。


「ごめんごめん!ちょっとお腹の調子が……」


「仕方ないですよ〜。そう言えば何頼みますかーー?」


 一応私はチラッとだけ料理を見ていた。焼き魚に刺し身に海鮮丼、他にも様々な種類がある。これは結構悩ましいですねー。


「私にまっかせなさい!」


 アナスタシアさんは意気揚々とそして自信たっぷりに胸を張って発言する。


「私は何度も来ているからどれが最高か分かるのよ!このキングサーモントラウトの刺し身セットが一番良いわ!ボリューミーで身がとろとろ!すぐに口の中で溶けるわ!」


 ……とても美味しそうですねーー!流石にこれにしたいと思います!


「じゃあルビナスはそれで行きます!」


「僕もそれで!」


 後は待ちますか!ステーキも良いけどこっちでも正解かも♪


 


 


 


 


 


 

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