ぶらり旅します

第18話 準備

 中身は……肉か。結構美味そうだな。他にもトマトやピーマンとかの野菜がある。明日の夕食にでも使うか……。にしてもこういうのは有り難いぜ。いくら俺達がSランクパーティと言えども常に依頼をこなせて食材を買う金を稼ぐ事ができる訳ではないからな。

 うん?手紙も付いてるな。読んでみるか。


「やっほー。ドゥーク。アナスタシアです!魔物退治を頑張ってくれているらしいですね?ありがとう御座います。そうそう。最近ナーシャ村に寄りまして、そこでなんと!ミノタウロスの肉が手に入ったんですよ!」


 アナスタシア王女、ナーシャ村に来ていたのか。というかあの村でミノタウロスの肉が手に入るなんて珍しいな?


「私も食べたんですがすごく美味しかったです!是非ドゥークにも食べてもらいたくて……という訳で贈っちゃいました(⁠≧⁠▽⁠≦⁠) 結構肉が少なかったので君だけですよ〜他にも野菜とかもあるので懐かしみながら食べてくださいね(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠) ではではまたねー」


 ……何回も見てるからもう慣れたが改めて言わせてもらおう。何故手書きで絵文字をわざわざ書いているんだ?労力の方が大きいだろ……。あれ下の方にまだある。


「PS. ラクスさんとマルクトさんにも分けてあげてね!相当格別だからね!独り占めしないように^⁠_⁠^」


 ……もうラクスはこのパーティには居ないんだけどね。まあありがとうな。


「何だったんですか?中身」


「ああ。食料さ。結構良いもんが入ってる。明日料理して食べるか」


 ――――――――――――――――――――――― 次の日……


「うん?もう朝か。マルクトは……もう素材集めの為に出ていったか。メッセージは――あるな」


 俺はメッセージを確認する。


「もう出かけています。依頼は私から断っておきましたので安心してくださいね。後チラッと昨日アナスタシア王女の手紙見たのですが……気になる事があるんですよね。私の気の所為かもしれませんが夜分に聞いていただけると嬉しいです。」


 手続きはあっちがやってくれたか。手間が省けたぜ。それにしても……気になる事なんかあの手紙内にあったか?一体何だろう。まあ良いか後で。とりあえず今日は愛刀の為のリハビリだ。頑張るか。

 俺は斬月を取りに行く為、砥刀を依頼していた鍛冶屋へと向かった。


  


「よう。斬月を取りに来たんだがどうだ?」


「ドゥークか?しっかり研いでおいたよ。いつでもバッチリだ!」


 こいつはアイク。俺がリバティ地区を拠点にしてからずっと世話になっている刀のスペシャリストだ。


「しっかし……斬月を使うなんて何事だ?」


 アイクは不思議そうに問う。そりゃそうだ。めったに使う様なもんじゃないからな。

 俺ははぐらかして答える。


「まあな……。ちょっとした野暮用だよ」


「そうか。まあ言いたくない事もあるだろうさ。所で今回は――」


「ああ。やっていく。実戦で使えなければ意味が無いからな」

 



 


 


 


 


 

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