第4話 粛清


 僕が周りの人々にチヤホヤされ楽しんでいる時、後ろから謎の怒号が聞こえた。


「うるせぇなクソガキがぁ――!!!」


 声のある方に向いてみるとそこにはパーティーと思われる4人組がいた。僕がこの村に住んでいた頃にはいなかった集団だ。どうやら僕が注目されているのが嫌で仕方ないらしい。


「お前よぉ……。俺達バーサスの前で目立とうなんざ180年はえーんだよ!」


「そうだぜ!ガキィ……。今すぐにこのギルドから失せな?じゃないと……どうなるか分かってんだろうな?」


 バーサス?そんなパーティーいつ出来たんだ?僕はおっちゃんに問う。


「おっちゃん……誰こいつら?」


「バーサスていう最近ギルド内を牛耳っている奴らだ。面倒な奴が来ちまったな。こいつらが気に食わんて思ったパーティーはボコボコにされて皆解散しちまった。」


 おっちゃんのその言葉に奴らは怒りを爆発させる。その瞬間、4人全員が机や椅子等をそこら中に投げつけ大暴れし始める。


「オイオイ……誰が面倒な奴らだって言ったんだコラ!」


「こりゃ駄目ですわ――ギルド崩壊のカウントダウンですわ――!」


「あ――あ!」


 そしてギランのおっちゃんはバーサスに捕まえられる。1人が羽交い締めをして動けない所を殴る蹴るの暴行を開始する。こんな酷い奴ら見逃す訳にはいかない。


「いい加減にしろ……このクソ野郎共!バーサスかバーカか知らないけどやり口がゴミの掃き溜めレベルだぞ!」


「何がゴミの掃き溜めだ!」


「殺しますわぁ――!」


「外でろオラ!」


 バーサスと僕は外に出て決闘を開始する。皆に良い所を見せるチャンスだ。僕と奴らは身構えた。


「お前ら今すぐに失せるかアルカニックブレイカーで自分の命を無くすか……選べ!」


 僕は奴らに慈悲を与える。幾らこんなゴミカスが相手でも命は大事だからね。でもこれを断ったらおっちゃんの為に消す……!


「何粋がってやがんだ!命を無くすだと……?無くすのはお前だ!来い俺の召喚獣グランディアよ!」


 魔法陣の中に現れたのは1匹のドラゴン。レベルは60か。さっきもレベル40の奴らを倒したんだ。行ける!


「グォアアア――!!!」


「……終わったなあのガキィ」


 召喚獣が僕に向かって突進を仕掛ける。これで止めてやる!


「アルカニックブレイカー!!!」


 その言葉と共に紅蓮の炎が舞い上がり、ドラゴンに当たり村の数々の家を巻き込み吹っ飛ばした。


「な、なんだと……」


「お、終わった……」


 奴らは絶望していた。それはそうだ。今まで倒されなかった最強の召喚獣が一撃で死んでしまったのだから。


「ゆ、許してください……た、た、頼む!」


「もう此処には来ないから……し、し、しに、死にたくない!」


 その様子を見ていたルビナスとアナスタシアが僕の元に駆け寄る。


「アスタ様勿論……?」


「ああ……慈悲はない。消す……!」


「という訳でバーサスの皆さんさよなら♪ルビナスのアスタ様に歯向かったんだからこんなのとーぜんですよね♪」


 そして僕は1人ずつ奴らを粛清していった。


 


 

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