UNWELCOMEWORLD

第8話 世界として、自分自身として、

その頃、ロンドンの時計台には1人の男がいた。

ロズワール・ティー・ブレイブバードだ。

「クロと接触したな、あの男。」

やっと始まるのか、戦争が。


俺とクロの契約からは1ヶ月。荒廃してから8ヶ月が経過した。

能力がだいぶ体に馴染んできて、自由自在に使うことが可能になってきた。

クロに即興で名付けられたパドという略称は定着してきた。

「お前にひとつ話さないといけない。」

「なんだ?そんな改まって」

珍しく重い空気になってくる話の始まり方をしてきたことにより、大事な話だとを悟った。

「俺の普段関わっていた3人に、お前の知り合いがいる。」

赤髪と青髪と緑色の髪。

赤髪はラインハルト・ティー・ブレイブバード。

青髪は沖縄の王。ハーヴェスト。

緑髪は東京のサイコアクス。

「ラインハルトと関わっている時、弟に会わなかったか?」

「会ったな、ロズワールってやつに」

「あいつは強いぜ、ラインハルトが一瞬でやられた。」

「やられた?自殺したんだろ。」

自殺?どういことだ、あいつは戦いに負けたんだろ?

「アイツの過去を教えてやろう。」


荒廃する前から約束2年前。


「ロズワールはラインハルト兄ちゃんの面汚し!!」

ロズワール・ティー・ブレイブバードは兄であるラインハルト・ティー・ブレイブバードと能力を比べられて霞んでいた。霞むだけならまだしも、そのイジりはエスカレートし、イジメにまで発展した。

「俺はお前の味方だ。」

ラインハルトは優しく声をかける。ロズワールは部屋に篭もり返事をしない。

ある日ロズワールは買い物途中にいつも虐められる集団の様なものに遭遇した。

「ロズワール!!久々だなぁ!部屋にいたんか!このヘタレ!」

いじめっ子集団をまとめているらしき男が下にころがっていた石を顔になげつけ、周りを囲んでロズワールを蹴る。

「やめて!やめてよ!」

周りの大人たちは何も考えることなく見向きもせずに歩く。

「ラインハルト兄ちゃんはお前らのこと怒ってる!お前らなんてラインハルト兄ちゃんが!」

この前、久々にリビングにでてきたロズワールはラインハルトに自分の想いを伝えた。その時にラインハルトの口元は緩んだ。

それが。ロズワールには起こっているように見えたのだ。

「ラインハルト?、あいつはお前を1番にいじめてるぜ?」

ロズワールは硬直した。何言ってんだこいつら?と、思考が停止していた。

すると都合よくラインハルトが横を歩いた。

「あ!ラインハルト兄ちゃん!助けて!」

ラインハルトに顔を向けて叫び、助けを求めた。

「ロズワール?あいつらも、そゆことね」

ラインハルトは大きめの意志を持ってこちらに近づく。

ロズワールはやっつけてくれると信じてた、でも、その希望は地に消えた。

ラインハルトはロズワールの頭に石を投げ入れ、意識を飛ばせた。

「目障りなんだよ!!!役立たず!クソガキが!」

ラインハルトの本性が発覚した時だ。僅かに残っていた意識を使い声を聞いた。


その次の日、ロズワールは家からも部屋からも姿を消した。


「それ以来ロズはラインハルトを恨んでんだ、怒ってるんじゃなく、殺意を持って恨んでる。」

「そういう事なのか、明らかに普通の喧嘩とは思えない程の殺意が見えたんだ。」

「あいつには同情する、確かにラインハルトは良い奴だ。でも、裏がありすぎる、弟にラインハルトが殺されてなければ、お前は利用するだけされて殺されてたぞ。」

俺は信じれないが、点と点が線で繋がったことによる状況のせいか、信じた、信じるしか無かった。


ロンドン時計台


「あいつ、昴に話したな、分からないが、なぜな分かる。」

ロズワール・ティー・ブレイブバードは指輪に手をかけるすると、


ビリビリビリッッ!!


青白い光が体を纏い、痺れて時計台の頂上から落ちる。

「やっぱ、、、俺じゃねぇよな、、、」

ロズワールは頭を抱え、涙を流した。

ラインハルトはもう居ない、だからあとは能力を自分のものにするしかないんだ。


「俺らの脳内に入った情報はこれだけじゃない 」

「それ早く言えよ!!一ヶ月も焦らしておいてよ!」

「まぁまぁそう怒るな、ここまで習得が早いとは思わなかったからよ」


その内容はこうだ。


「世界が荒廃してから2年で手に入れた能力は消える。だが、ルミナスの指輪を手に入れるとその能力は消えない。」


なるほど?そういう事ね。


俺は巻き添え食らっただけだとわかった。

だが、それでいいんだ。

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