詩10編 自分からの飛翔
栗栖亜雅沙
想い
少女のころ
ひとを本当に好きにはなれないと思っていた
自分のほかにひとを愛せるだろうか
トゲトゲした思いでいっぱいだった
そんな思いを抱えたまま
いつの間にかあなたを想っていた
それはごく自然で
海の泡のように浮かんできていた
わたしの海のなか
深く眠っていた想いが
あなたにはじけてゆく
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