『三宮小春』の場合

小春の名前は三宮小春さんのみやこはるといいます。

この春から友愛中学の2年生になりました。


小春は読書が好きです、はい。

身体が弱いのです。

図書委員をやっています。

よく影が薄いとか、静かだとか、透明人間だって言われます。

でもそれは悪口ではありません。

そう小春に気づかせてくれたのは、彼です。

十方涼とおかたりょうくんです。


涼くんとは去年一緒のクラスでした。

お話したのは、5月頃です。

仕方ありません、小春は影が薄いのです。


小春が図書室にいたとき、涼くんは声をかけてくれました。

他の生徒は殆ど小春に気付かないのに、涼くんは気付いてくれました。

嬉しかったです。

同じクラスだって言ったらびっくりした様子で謝ってくれました。

とてもいい人です。

影の薄いことが悩みと伝えたら、透き通ってるとか、ガラスのように繊細で儚い綺麗な存在だから普通の人は気付いてくれないのかもと言っていました。

小春は感動で涙が溢れました。

小春のことをここまで考えてくれる人は他にいません。


あれから1年が経ちました。

小春なりに頑張って声をかけましたが、進展はありません。

でも大丈夫です。

小春達は今年も同じクラスです。

運命の赤い糸で結ばれているのです。




「小春は今日も涼くんを見ていますよ」

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