ショートなんちゃらで人の生き様をかたづけるあんたらを絞めあげてやる
釣ール
前編:失いたくない夢をうばったのはお前たちだ……ってえ?あなたも私と同じ恨みをかかえながらお客のヒーローになっていたのか?
韓国旅行ってみんな楽しい?
そりゃそうか。
ハットグ……はもう古いか。
背も筋肉も何もかもきたえられていて、顔も日本では出会えないような
「日本での生活はいつもどおりうまくいってない?」
満面の笑みで友達に答える。
「当たり前じゃ~~~ん」
友の名前はディ・ミルナ。
私が中学時代にアイドルを目指して韓国修行で出会った。
「そのわりには演技がうまいね。『東洋のアイドルは男女関係なく私の敵』って言ってた
「こんな世界である程度の学歴あったって私は夢をあきらめて負けたただの夢女子。それだけ」
ミルナはあまり笑ってくれなかった。
真剣な顔で受けとられると困る。
でも私の伝え方がよくないからいつも韓国旅行は人に言えない思い出ばかり残る。
海をながめて食べて飲む。
シンプルでいいリフレッシュになるはず。
「
ミルナは日本語も英語も中国語も話せるようになっていた。
友達に失礼だけどここまで
そんな強く見えてしまうミルナが誰よりもアイドルになりたかったはずなのに。
結局アイドルをあきらめるしかなくなった現実を私が思い出させてしまうのかな。
人との関わり方には気をつけないと。
「
「もうとっくにチェックしてる。でもありがとうミルナ。東洋のアイドルなんてみんな敵だったはずなのにこうして楽しみをもらっちゃうとつい長生きするんだよねえ。でもさ、日本で同じくらいの男の子と会うと身長低くてもヤンチャっぽかったら胸がときめくよ」
オタクの悪いくせ。
それでもミルナはいつものように「私はちがうけど」と断りをいれた。
「夢小説なんて上手い言い訳を考えたね。日本の文化を知りたい私には助かる。でもバレバレ。引退したらつぶしにいくリストって書いたボイスメモに過激な暴言がつまってる」
「勝手に聞いた? いやちがう。そんなこと私はしません」
ミルナは私が泊まりに来た時聞いたらしい。
眠れない私が嫌なアイドルやインフルエンサーの暴言を青白いスマホの光の中で録音していたことを。
「ごめん。全然気づかなかった」
「私はむしろスッキリしてる。
さすが。
もう私ってミルナのコンテンツじゃないか。
私達は
「日本に来る時があったらいつでも言って。いろいろありがとう」
ミルナ。
本当にありがとう。
これでまた日本人を相手にストレスと戦える。
形はちがうけどかけがえのないコンテンツになったみたいだし。
って、それだけじゃ
インターネットで流れる見たくもないしなんのためにもならない
一部はのぞいているし私も同じことができなくなるといけないからだまってたけど日本は
仕方ないか。
真実より嘘でしかかせげないなんてミルナ達
「夢は残酷なぜいたく」
私の
韓国のアイドル仲間から言われて忘れられない中学時代の記憶。
満足かお前ら?
私らは人間だ。
「消費されるために生まれたわけじゃねぇぇぇぇ!」
韓国から帰って真っ先にベッドで泣いた。
また元の生活か。
そこで検索ワードを何度も考えて
オススメされた動画なんざみるか!
かといって好きな趣味でかたまった動画だってみない。
そして出会った動画は韓国のMMA? って名前の格闘技で知ったケージの中で明らかに戦える格好じゃない女性が自分よりもプロポーションのいい女性に中指をつきたてていた。
『ルックスがいいからって強さに
日本人のオタクが好きそうな女の子の格好をした人とは思えない過激な言葉。
『あなたもモテてたんじゃないの? アイドルとしてどれだけファンにもてはやされたのか忘れてる? 私は俳優として何度もオーディションを受けて特撮に出たかったのに断られてケージじゃ言えない世界で演技をしてた。分かるでしょう? どっちが強いか!』
中指をしまったあとにアニメ調の格好からさらに聞きなれない言葉が彼女から出てきた。
そしてこの子は昔見たことがある気がする。
しかも私も彼女が相手にしている女性俳優にまったく同じ感想をぶつけていた。
『『マウントとってんじゃねえクソがーーーーーー』』
今、シンクロした。
ちがう舞台で立つ知り合い。
いや、彼女はもうファイターだ。
同じ大学生くらいの女の子でも、かつてアイドルだった女の子でもない。
私は彼女を応援していた。
「そこの
彼女達がやっている競技がなんなのかは分からなかった。
ただ一つ言えるのは、見たこともない世界で負けをくつがえすために戦う人がこの世界に存在している現実。
私は次の計画を立てた。
誰にも負けないために。
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